飲食、ウェディング事業を行う「鳥善」(中区佐鳴台、TEL 053-447-3241)が、新型コロナウイルスの影響で成人式に参加できなかった新成人に向けて、写真撮影の「無料後撮りプラン」を行っている。
食を通して街の価値をあげたいという思いで、結婚式場やレストランの運営を行っている同社。昨年は、新型コロナウイルスの流行により、暗いニュースが多かった1年であったことから、自分たちにできることはないかと模索していた。そんなとき、結婚式と同じハレの日である成人式が、各地で中止になっていることをニュースで知った社長室の加藤茉梨絵さん。何かできることはないかと考え、新成人の写真撮影ができるのではという案が出た。提携しているカメラマンや、縁のある人からの紹介、社長の伊達善隆さんがフェイスブックで呼び掛けたこともあり、カメラマンやヘアメーク、衣装店などが協力。無料で撮影まで提供する同プランを始めた。
今回対象となるのは、静岡県出身で、成人式の式典が中止になったり、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ参加を諦めてしまったりした、今年の成人式の対象となる新成人。1月31日まで募集を受け付けており、抽選で15人程度を予定している。プロのスタイリストによるヘアメークと着付け、プロのカメラマンによる撮影とデータを無償で提供。撮影を行う会場は、同社が運営し普段は結婚式の会場として使われている「ジ・オリエンタルテラス」。振り袖は無料で貸し出ししているが、持ち込みもできる。
これまで、市内や磐田市、掛川市などから9組の応募があり、すでに3組が撮影を行った。本人がSNSなどで見つけて応募する場合もあるが、両親が見つけて応募していることもある。撮影した本人から「こんなすてきな場所で写真が撮れてうれしい」といった喜びの声があがっているほか、撮影する風景を見た両親や兄弟からも「撮影してくれて本当に良かった」といった声が聞かれている。
新型コロナウイルスへの対応として、スタッフは検温、健康管理、手指消毒、マスクの着用などを徹底。来場者にも検温、手指消毒、マスク着用をお願いする。館内の窓や扉を開けて換気を行い、アルコール消毒も行う。間隔を保つため、撮影の際は指示出しを行う。
「結婚式が延期になり、レストランも人が減っている状況で、ハレの日のお手伝いができ、1組でも笑顔になってくれるのがスタッフの励みにもなっている。気軽に応募してもらえれば」と加藤さん。「このご時世で自粛している人が多いと思うが、多くの人の助けになりたいと思う。今後もさまざまな企画を行っていきたい」とも。
応募はインスタグラムで受け付ける。1月31日まで。