ワインバー「Intimite(アンティミテ)」(浜松市中区肴町、TEL 053-454-7081)が11月17日、開店13周年を迎えた。
店主の田中龍さんは、製造業の会社に勤務していたが、知人からの誘いをきっかけに25歳の時に飲食業界に飛び込んだ。いずれは自分の店を持ちたいと思い描きながら、浜松市と豊橋市のフランス料理店で約7年間の修業を重ねた。自分の持ち味を生かせる店を作りたいと考えていたタイミングで、憧れていた西洋料理店「バークレー」のオーナーから営業譲渡の提案を受けた。思いもよらない提案だったが、快諾し、2008(平成20)年に屋号を変更して同店をオープンした。
田中さんはこの13年間を「来店客に恵まれていると常に感じる。コミュニケーションの時間が楽しく、やりがいある時間過ごすことができた」と振り返る。店名の「アンティミテ」は、フランス語で「親密な」を意味する。店と来店客、来店客同士も親密な関係を築く、心地よい良い空間を提供できるように目指して名付けた。当時、アルコールを提供する店での喫煙は当たり前だったが、タバコが料理やワインの香りの邪魔しない空間を作りたいと考え、他店に先駆けて店内禁煙を取り入れた。「年を重ねるたびに目標は変わる」と田中さん。ワインや食事はもちろん、過ごす時間を楽しんでもらうという同店が貫いてきたスタイルはそのままに、今後もより魅力的な空間を提供できるように心掛ける。
店主自ら年間4000種類のワインを試飲し、納得のいくものだけを仕入れて提供。フランス産を中心に常時約100種類をそろえ、季節ごとの料理に合うワインを提案する。今年は新型コロナ禍のため断念したが、フランスのブルゴーニュまで足を運びワインの買い付けをする年もあるという。グラスで提供するシャンパン「ブリューノミッシェル」(1,650円)は、爽やかな味わいが特徴。北海道余市のワイナリーから直接仕入れる、ケルナーというブドウ品種を使う「北ワインケルナー」(1,320円)は、果実味豊かな辛口の白ワイン。ブルゴーニュで日本人女性が運営するワイナリー「シャントレーブ」の「ピノ・ノワール」(1,540円)は、華やかな香りと軽やかな果実味を楽しめる。
都内のフレンチレストランで修業した経験を持つシェフによる料理を提供。鮮やかな赤身肉の「フランス産カモ胸肉のロースト」(3,300円)は、同店で一番リピート率の高い看板メニューだという。レモンとオリーブオイルでシンプルに仕上げる「生ガキ」は、「兵庫県相生産」(500円)や「北海道仙鳳趾(せんぽうし)産」(660円)など、産地の異なるものを用意。このほか、生のマッシュルームの上に、18カ月間熟成したフランス産のコンテチーズをのせる「マッシュルームとコンテのカルパッチョ」(1,320円)などをそろえる。
新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒と検温。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は、定期的に入り口と窓を開け換気を徹底する。
田中さんは「店と一緒に自分も成長してきた。それを支えてくれた来店客への感謝の気持ちは常に持っている。これからも、当店ですてきな時間を過ごしてもらえるよう、理想とする店を追求していきたい」と話す。
営業時間は18時30分~24時ラストオーダー(土曜は翌1時まで)。日曜定休。