洋菓子店「filo(フィーロ)」(浜松市北区都田町、TEL 053-488-8310)が4月4日、障がい者就労支援施設「浜松学園」内にオープンした。
社会福祉法人「聖隷福祉事業団」の障がい者就労支援施設「浜松学園」が運営する同店。「浜松学園」は、1967(昭和42)年に県立施設として設立したが、同事業団の運営のもと今年4月から民営化した。昨年3月に、民営化に伴い施設を増築したことをきっかけに、新たな就労の場を設けようと、同店のオープンを決めた。店名の「filo」は、イタリア語で「絆」の意味。コンセプトを「きずなができるお菓子屋さん」と定め、地域に根ざした店を目指す。
店舗面積は約 10坪で、テークアウト専門で販売する。店内は、北欧のデンマークの洋菓子店をモデルにデザイン。白色を基調とし、パステルカラーのタイル壁やオレンジ色のガラスライトをアクセントに、シンプルだが温かみのある空間に仕上げた。
手作りの焼き菓子は、常時15種類をそろえる。ミルクティーを食べているような味わいに仕上げたという「紅茶クッキー」(260円)やチーズのコクを感じる塩味の効いた「エダムチーズと黒こしょうのクッキー」(280円)、「パウンドケーキ(フルーツ)」(230円)などを用意する。
水曜と金曜限定で販売する生菓子は、旬の食材を使い月替わりで提供。イチゴと木イチゴの自家製ジャムと、生クリームをサンドした「イチゴのシフォンサンド」(350円)は、フワフワの食感の軽い口当たりに仕上げる。カスタードプリンの上にたっぷりと生クリームを載せた「クリームたっぷりん」(230円)は、甘さを控えた滑らかなプリンとカラメルソースとの組み合わせを楽しめる。このほか、店内でラム酒に漬け込むラムレーズンが入る「レーズンサンド」(200円)や、すりおろしたニンジンとシナモンなどのスパイス混ぜて焼き上げる「キャロットケーキ」(280円)など、常時6種類を用意。「特別なものではないが、日常の中に喜びを届けられる菓子づくりを目指している」と店長でパティシエの岸端哉子さん。
新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒と検温、マスク着用を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は、定期的に出入り口を開けて換気を徹底する。
オープン後は、地域の人を中心に多くの来店客が訪れ順調な滑り出しという。岸端さんは「夢を持って仕事ができる場所にしたい。気分が明るくなるような雰囲気の中で営業しているので、気軽に足を運んでもらえたら」と話す。
副園長の山本誠さんは「障がい者を応援するためではなく、おいしい菓子を求めて来店してもらい、この施設や障がい者の就労について知ってもらうきっかけになれば」と話す。
営業時間は10時~15時。土曜・日曜・祝日定休。