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浜松・東三方町の洋菓子店が20周年 「地元の人気者」として期待に応える姿勢貫き

「リープリング」社長の近藤さん(中)とスタッフ

「リープリング」社長の近藤さん(中)とスタッフ

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 洋菓子店「Liebling(リープリング)」(浜松市北区東三方町、TEL 053-414-2866)が4月10日、開店20周年を迎えた。

看板メニューの「ザッハトルテ」

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 パティシエ兼社長の近藤芳保さんは、実家が和菓子店を経営しているため、将来家業を継ごうと考え専門学校に通い製菓について学んだ。卒業後、ウィーン流のケーキを日本に伝えたというシェフの下に弟子入りし、神奈川県の洋菓子店で9年間経験を重ねた。実家では和菓子と洋菓子を取り扱うが、両方を極めるのは難しいと感じ、洋菓子作りに専念することを決めた近藤さん。本場の雰囲気を体感したいと考え、20代後半にはウィーンでの修業も経験した。

 その後、実家の店舗の一角でケーキを販売していたが、自らが思い描くコンセプトの店を開きたいと考え、2002(平成14)年に同店のオープンにこぎ着けた。店名のリープリングは、ドイツ語で「お気に入り」や「人気者」の意味。自分たちのお気に入りの菓子を作り、地元浜松の人気者になれるようにと願い名付けた。

 オープンから右肩上がりの経営を続けてきたが、菓子作りに没頭するあまり、当初の記憶はあまり残っていないという。「来店客の期待を裏切らないことを何よりも大切にして、一切手を抜かずに毎日を積み重ねて来た。その結果として多くのファンに恵まれ、今につながっていると思う」と近藤さんは振り返る。

 修業したウィーンの菓子をベースに、鮮度にこだわり、常に作りたてのものを提供する。食材は季節感を大切にして、良質な旬のフルーツを見定めて使う。約60種類のメニューをそろえるケーキは、常時約20種類を用意。ウィーンケーキの代名詞という「ザッハトルテ」(519円)は、チョコレート生地にシャリシャリとした食感のチョコレートをコーティングし、アンズジャムの酸味をアクセントにする同店の看板メニュー。甘さひかえめの生クリームを添えて提供する。ココアのスポンジを使うドイツのケーキ「黒い森のトルテ」(432円)は、生クリームとチョコレート、チェリーの酸味の組み合わせを楽しめる。このほか、ハート型のチョコやピンク色のマカロンなどを載せて、春らしいかわいらしさを演出したイチゴムース「カワイイ」(486円)や地元農園「ウッドベリーファーム」(浜北区)の大粒のブルーベリーを使う「ブルーベリーのタルト」(497円)、抹茶のスポンジにわらび餅と大納言小豆、抹茶クリームを巻いた「抹茶ロール」(432円)などをそろえる。

 焼き菓子は、レーズンやイチジクなどのフルーツをふんだんに入れた「フルーツパウンド」(778円)やアンズジャムをサンドした貝殻型のクッキー「シェル」(324円)など約30種類を販売する。

 新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒とマスク着用を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。飛まつ防止のため、カウンターテーブルにパーティションを設置する。

 「ファンの方はもちろん、この店が好きで働いてくれるスタッフや支えてくれる妻にも感謝している」と近藤さん。「一見シンプルに見えるケーキでも奥が深く、いつまでもゴールがないのが菓子作りの面白さ。20周年は一つの通過点として、90歳まで調理場に立ち続けたい」と笑顔で話した。

 営業時間は10時~18時。月曜・火曜定休。

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