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浜松産グレープルーツジュース販売 障がい者就労施設の工賃向上に貢献したいと

「浜松のグレープフルーツのおいしさと、クルミックスの製造技術の高さを感じてほしい」と話す石川さん

「浜松のグレープフルーツのおいしさと、クルミックスの製造技術の高さを感じてほしい」と話す石川さん

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 浜松市の会社員らで構成する任意団体「どいーにはままつ」(浜松市中区)が6月19日、浜松産グレープフルーツを使うジュース「夕焼けルビー」の販売を始めた。

浜松産グレープフルーツを使うジュース「夕焼けルビー」

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 地元浜松の魅力を発信するために商品の企画・販売を行う同団体。代表の石川大輔さんは、ジュース製造などを行う就労継続支援B型事業所「KuRuMiX(クルミックス)」(北区)の工賃向上に貢献したいとアイデアを模索。自身が企画した商品が人気を呼べば仕事が増え、問題解決につながると考えた。浜松市が、国産グレープフルーツの生産量日本一だと知り、同商品を発案。北区都田町の生産者組合「丸浜柑橘農業協同組合連合会」らに声かけし原料となるグレープフルーツを仕入れ、製造はクルミックスの利用者らが行った。

 同団体によると、国内に流通するグレープフルーツの大半は輸入品で、国産のシェアは約0.05パーセントしかなく、その内ほぼ全てが浜松産という。「市民も知らない名産品を多くの人に知ってもらいたい思いもあった」と石川さん。昨年5月の試作品を元に、2300本を生産し発売に踏み切った。

 食の安全に配慮し、防カビ剤や防腐剤を使わずに栽培する浜松産ルビーグレープフルーツを100パーセント使う。酸味が少なく甘みが強い「夕焼けルビー」とグレープフルーツらしい酸味と苦味を楽しめる「夕焼けルビーピンク」の2種類を用意。果汁の加熱により風味と栄養を失ってしまう濃縮還元製法ではなく、香りやみずみずしさをそのまま生かせるストレート製法を採用。味や香りの調整のための甘味料や香料も使わない。加えて、96度の高熱で一瞬に殺菌する「瞬間殺菌」により、煮詰めて殺菌する通常の方法と比べて、果実本来の味をそのままに瓶に詰め込むことができるという。パッケージデザインは、静岡文化芸術大学の学生が手がけた。

 今後は、通常廃棄してしまう皮を利用したフレーバーティーの販売も予定している。「全くノウハウがなかったが、多くの人の協力のおかげで商品化できた。浜松のグレープフルーツのおいしさと、クルミックスの製造技術の高さを感じてほしい」と石川さん。「志さえあれば誰にでもできる。多くの人がこのような活動をするきっかけになれたら」とも。

 価格は180ミリリットル入り1本540円。インターネットショップ「アマゾン」と県内で開催するイベントで販売する。

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