写真店「大石写真館」(浜松市中区紺屋町、TEL 053-453-1656)の店頭に現在、高さ7メートルの「一本門松」が飾られている。
1942(昭和17)年創業の同店。五社神社(中区利町)の参道沿いに位置し、自社スタジオでの記念写真や商業用写真撮影などを手がける。3代目社長の大石将和さんは、磐田農業高校造園科を卒業後、東京の写真館で5年修業の後同社に入社した。「一本門松」は、大石さんが入社した25年前から店頭に飾り始めたという。
大石さんによると、門松設置のきっかけは「自身で門松を作るように」という高校時代の恩師からの一言という。高校で学んだ技術を生かして、大石さんが縄を結び毎年手作業で作り上げている。竹などの材料は、高校からの旧友である塚本明寿さんが社長を務める造園会社「庭明」(中区)から仕入れる。
通常3本並べる竹を1本にして、枝と葉をそのまま残す「一本門松」は、神社参道の景観を損ねないようにデザインした。当初3メートルほどだった竹は、年々高くする中で7メートルに達した。竹の根元には、3本の松と5本の梅の木、母校の生徒が栽培したハボタンを飾る。「継続することが大事。この町の年末年始のちょっとした風物詩として楽しんくれる人もいる」と大石さん。夜間は、温かみのある光を当てライトアップする。
大石さんは「コロナ禍で大変な年が続くが、来年こそ良い年になるようにと願いを込めて作り上げた。浜松の人が幸せな新年を迎えられたら」と話す。
来年1月15日まで。