浜松市役所前の地下道で現在、浜松出身イラストレーターによる壁面へのアートペイント制作が行われている。
浜松市創造都市推進会議が、薄暗い印象の地下道をアートの力で明るく楽しい空間にしたいと企画した。同所は、観光施設「どうする家康 大河ドラマ館」にも近く、市内外からの観光客を地下道に誘導することで、渋滞緩和や交通事故防止にもつなげる。
アートペイントを手がけるのは浜松出身のイラストレーター「いきものだもの」さん。やわらかい雰囲気の作風で、浜名湖体験学習施設「ウォット」のチラシデザインや、子ども向けの生物学ビジュアルブックのイラストなどを手がけてきた。浜松市役所創造都市推進担当課長の澤田吉延さんは、地元アーティストに依頼したいと探していた際に、「鴨江アートセンター」(中区)で開催されたいきものだものさんの展示会を見てすぐに依頼を決めたという。澤田さんは「子どもから高齢者まで親しまれるような、ほのぼのした絵柄が魅力。このイラストなら地下道が明るくなると思った」と話す。
作品のサイズは1点カット縦約1.5メートル、横約1メートル。ギョーザ、ミカン、ウナギ、アクトタワー、浜松まつりなど、浜松を象徴するものをテーマにしたオリジナルキャラクター12点を地下道の壁面に描く。「見る人に元気を与えるように、笑顔のキャラクターを描いている。アイデアを出す中で、自分も浜松の持つ多くの魅力に改めて気づいた」といきものだものさん。「このペイントをきっかけに話が弾んでくれたら」とも。
澤田さんは「今後もアートの力で街を明るくしていきたい。作品を披露するチャンスとして、地元アーティストや学生も、興味がある人は相談してほしい」と話す。
制作は3月17日まで。