「浜松まつり」が5月3日、浜松市で開幕した。
浜松まつりは、例年5月に開催する大凧(おおだこ)揚げを中心とした浜松市の一大イベント。南区中田島の凧揚げ会場を舞台に170以上の町が参加し、地域の子どもの誕生を祝う「初凧(はつだこ)揚げ」や各町で凧揚げを競い合う「糸切り合戦」、夜には中心市街地を彩る御殿屋台の引き回しが行われる。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年は中止。一昨年と昨年は、規模を縮小して開催した。コロナ禍以前の形式に近づけるよう検討し、今年は昨年まで実施を見合わせていた「激練り」や「糸切り合戦」、中心街での御殿屋台の引き回しを4年ぶりに再開した。全ての催し物は21時までに時間制限し、祭り会場での飲酒は禁止するなど、一部規制は設けるが、ほぼ例年どおりに戻った状態で開催を迎えた。
開催初日は天候に恵まれ、風が吹く「凧揚げ日和」の中、各町の大凧が天高く舞った。参加した「曳馬町阿弥陀組」(中区)では、4軒の初凧を揚げた。施主の酢山真介さんは、2人の子ども、柊花ちゃん(2)と寛大ちゃん(9カ月)のために10畳の初凧を用意した。過去に同町凧揚げ会の組長を務め「生粋の祭り好き」でもある義父宏悦さんの後押しで、通常4~6畳サイズの凧が多くを占める中、3.6メートル四方にも及ぶ10畳の大凧にしたという。真介さんは「凧揚げ会の方が力を合わせて凧を揚げる姿に感動した。子どもたちは健やかに成長してほしい」と笑顔で話した。
阿弥陀組凧揚げ会組長の吉田勉さんは「例年に近い形で浜松まつりの開催を迎えることができうれしい。最終日まで地元のために盛大に祝いたい」と意気込む。
最終日は大河ドラマに出演中の俳優松本潤さんらが登場する「騎馬武者行列」を行う。5月5日まで。