Vリーグ2部所属の女子バレーボールチーム「ブレス浜松」が新組織体制を発表し、ゼネラルマネージャーとして元日本代表の大林素子さんが就任して1カ月がたった。
同チームは2012(平成24)年に設立した市民球団。サーラグリーンアリーナ(浜北総合体育館)をホームに活動し、昨年11月に設立10周年を迎えた。今季は、プレーオフ進出に後一歩及ばず、11チーム中4位という結果だった。新シーズンでは、Vリーグ2部での初優勝を狙い、来年設立される新リーグ「SVリーグ」への参入を目標に掲げる。目標達成に向けた「クラブの強化と成長」のために、10周年の節目に組織を刷新した。
新組織では、ゼネラルマネジャーに大林さんを起用した。「『プロ化』を進めようと奮闘してきたが、思うように進められなかった」と話すのは、広報担当者の小川祐奈さん。日本人初のプロ選手だった大林さんの力を借りたいと声をかけたという。大林さんは女子日本代表のアタッカーとしてオリンピックに3度出場。1997(平成9)年に現役を引退してからはスポーツキャスターやタレントとしてバレーボール普及のために活動している。同チームの広報活動をメインに、「応援隊長」として選手とも交流していく予定という。
新組織では、広報の力だけではなく戦術や経営面の強化も目指して体制を変えた。前理事の石川彰吾さんが現任の森島康之氏さんと共に共同代表に就任し、前GMの野田滋丈さんは副代表を務める。チーム強化部長には昨シーズンまでV1男子「ジェイテクトSTINGS(スティングス)」(愛知県)の広報担当者だった岩本勝暁さんが就任した。
「以前から、ブレス浜松が市民球団としてたくさんの人に愛され、支えられているチームだと注目していた。仕事で浜松に来たこともあり縁を感じる」と大林さん。「引退後、チームを支える側として一つのチームに所属するのは初めての経験なので、自分自身も新しい挑戦になる。チームの次なるステップへの挑戦に向け、今までの自分の経験を伝えて力になりたい。チームと自身の挑戦を、メディアを通して全国に発信していけたら」と意気込む。
小川さんは「まだまだ知名度の低いチームなので、今後は市民により知ってもらえる努力をしていきたい。浜松を代表する誇りあるクラブを目指しているので、ホームへ応援に来てもらえたら」と話す。