遠鉄百貨店新館(浜松市中区砂山町、TEL 053-457-5355)が現在、天竜ヒノキの樹皮で染めたデニム「天竜ヒノキ染 別注ベイカーパンツ」の受注販売を行っている。
淡いピンクベージュに染め上げた「天竜ヒノキ染デニム 別注ベイカーパンツ」
「産業と産業をつなぐ架け橋」となるよう目指し、商品開発に取り組む同店。地元木材「天竜ヒノキ」の樹皮を染料として使い、国産デニムの聖地とも呼ばれる岡山県倉敷市にあるデニムメーカーのホワイトデニムを淡いピンクベージュカラーに仕上げた。
商品開発のきっかけは、同店ファッション用品バイヤーの岩倉有輝さんがデニムメーカー「ジャパンブルー」(岡山県)からオリジナルデニム製作の提案を受けたこと。他のブランドとの差別化を模索する中で、生地の染色に着目したという。「浜松ならではの新たな素材にチャレンジしたかった」と岩倉さん。地元の林業・製材会社「フジイチ」(天竜区)の協力を受け、製材過程で生まれるヒノキ樹皮から抽出した染料を使うことを決めた。樹皮はバーク堆肥として有効利用されているものの、生産コストがかかるため林業として新たなアップサイクルにもつながるという。
「ベイカーパンツ」は、ポケットにフタが付くワークパンツの一種。やわらかくしなやかに織り上げた10.5 オンスの生地を使い、シルエットは細めのストレートに仕上げた。「デニム好きも満足できるよう、端にほつれ止めを施したセルビッチ仕様にした。カジュアルはもちろん、ジャケットスタイルにも合わせられる」と岩倉さん。
岩倉さんは開発を振り返り、「林業に携わる方からの『うれしい』という思いがダイレクトに伝わり励みになった」と話す。「こだわりを積み重ねていくことで、『魅力ある物に出合える場所』と期待してもらえる。今後も当店だからできる発信を続けていきたい」とも。
開催時間は10時~19時(24日=17時まで)。価格は2万9700円。サイズ展開は男女兼用でXXS~XL。12月24日まで。