複合飲食店「CARAVAN(キャラバン)」(中央区住吉)が6月28日、オープンした。
同店は、コーヒーロースター「TRANSIT(トランジット)」、「つちや餅店」が手がける「つちや餅カフェ」、カレー店「ブータン」が入る複合店。トランジット店主の二橋孝寿さんが、低コストの倉庫型テナントを作ることで「ビジネスのスタートアップ基地」となり、新しい挑戦の後押しをしたいと考え立ち上げた。直営カフェを展開したいと長年構想してきた「つちや餅店」社長の土屋伸之さんと、郊外に新店舗を出したいと考えていた「ブータン」店主の佐藤利昭さんの思いが重なり、オープンにこぎ着けた。
店舗面積は約45坪。共有のイートインスペースの席数は、テーブル=30席、カウンター10席。店内は「外国人から見た和テイスト」をイメージして、二橋さん自ら内装とデザインを手がけた。ヒノキの一枚板のテーブルやちょうちん、カラフルでポップなイスなどを並べ、和と洋をかけ合わせたアンバランスでユニークな空間に仕上げた。
「トランジット」は中央区卸町に次ぐ2店舗目。自家焙煎(ばいせん)のコーヒー豆と、コーヒーをはじめジュースやアルコールドリンクも提供する。日本では苦みの強い「ビターテイスト」を好む人が多いが、コーヒーの持つ要素の一つ「酸味」の魅力も表現できるよう焙煎する。豆は「スペシャルティ」を仕入れ、温度や湿度など、細心の注意を払い品質管理するという。オープンに際して導入した5キログラムのロースターは、持ち込みで豆を焙煎(ばいせん)できる「シェアロースター」としても貸し出す。
「つちや餅カフェ」は、1980(昭和55)年に創業した餅と和菓子を製造・販売する「つちや餅店」(中央区泉町)が初めて手がけたカフェ。「『餅は正月に食べるもの』というイメージが強いので、もっと気軽に楽しめる場を作りたかった」と土屋さん。「一年中お雑煮が食べられる店」をコンセプトに、雑煮を始め和スイーツなども提供する。新潟産の餅米「こがねもち」を使う「お雑煮セット」(各1,100円)、みたらし・宇治抹茶・黒蜜きな粉などを食べ比べできる「お団子5本セット」(900円)、「紅ほっぺいちご」(1,100円)や「北海道あずきマスカルポーネ」(1,000円)などのかき氷も用意する。土屋さんは「各店の魅力を合わせたおもしろい空間で相乗効果にも期待したい」と話す。
「ブータン」は、浜松の中心市街地にある創業約60年の老舗カレー店。祖父の田山喜三郎さんから10年前に跡を継いだ佐藤さんが今回、初めて郊外へ出店した。牛スネ肉を柔らかく煮込んだ「ビーフカレー」(1,100円)、「カツカレー」(1,200円)などを販売する。佐藤さんは「レトロな雰囲気の本店とは異なる、カジュアルなカフェスタイルの店舗。伝統の味はそのままに気軽に楽しんでほしい」と話す。
オープン後は客足が絶えず順調な滑り出しという。「ここでノウハウを得て、新しいことを始める人を応援していきたい」と二橋さん。「今後は周辺の学校と協力するなど、地域活性化にもつなげていけたら」とも。
営業時間は11時~19時。定休日は、つちや餅カフェ=月曜、ブータン=水曜、トランジット=なし。