販売イベント「サンチノ」が現在、遠鉄百貨店本館(浜松市中央区砂山町、TEL 053-457-0001)8階で開かれている。
「日本全国のものづくり産地」にフォーカスしてブランドを集め、洋服を中心に生活雑貨やアクセサリーなどを販売する同イベント。浜松の伝統織物「遠州織物」を使ったファッションブランド「HUIS(ハウス)」(中央区神ケ谷町)社長の松下昌樹さん企画の下2021年に初開催し、今年で4回目を迎える。「メーカーや職人が直接携わるブランドが多いため、作り手の思いやこだわりをそのまま伝えられる」と遠鉄百貨店マーケティング戦略課の三宅隆史さん。「地域に根付いたものづくり」をする24ブランドが出店する。
「HUIS」は洋服など約200アイテムを用意。松下さんは「遠州織物は高級メゾンブランドにも使われる生地。50年ほど前に生産終了したシャトル織機を使い細い糸をゆっくりと織ることで、軽くて柔らかい上質な生地に仕上がる」と話す。レディースを中心にシャツ(2万円~)、ワイドパンツ(2万円~)などをそろえる。
日本最大級の繊維産地である尾州の産地直営洋服店「新見本工場」(愛知県一宮市)は、男女兼用サマーウール生地のTシャツ(1万1,000円~)やポロシャツ(1万6,500円~)などを用意。夏を快適に過ごせるように、商品ごとに生地を作り分けるという。「エントランス」は、遠州の若手繊維関係者による有志のプロジェクトチーム。チームメンバーの織物会社「古橋織布」は、オリジナルのコードレーンTシャツ(1万8,700円~)やパジャマ上下セット(2万8,050円~)などを販売。浜松の伝統織物「浜松注染(ちゅうせん)」のメーカー「和田染工」は、オリジナルブランド「SOSOG(ソソグ)」の洋服やバッグなどの雑貨を用意する。
福岡県八女市のブランド「うなぎの寝床」は、「久留米絣(かすり)のもんぺ」(1万2,000円~)などを販売。このほか、岐阜県の木工会社「ウッドペッカー」の雲や花をモチーフにデザインしたイチョウのむく材のまな板(8,580円~)や、今回初出店となる「アトリエ玄米デカフェ」(山形県)の玄米だけで作るノンカフェインドリンクなども並ぶ。
7月21日には、ファッションインフルエンサーの金子敦子さんを招いたトークショーを予定する。
開催初日の7月18日は、地元客に加え関東や関西など遠方からの来場者もあり、多くの人でにぎわった。「遠州織物は地元でも和服生地だと思っている人が多いので、世界に誇る洋服生地だと知ってもらい地元の誇りにしてほしい」と松下さん。「イベントをきっかけに、全国の産地の事業者を応援してもらえたら」とも。
開催時間は10時~18時(最終日は17時まで)。7月22日まで。