焼き菓子専門店「Pirate(ピラット)」(浜松市中央区上新屋町、TEL 090-4217-5150)がオープンして1カ月がたった。
店主の伊藤優司さんは製菓専門学校を卒業後、自分の店を持つことを目標に名古屋や浜松のケーキ店でパティシエとして7年ほど経験を積み、2022年からは本業の傍らマルシェ出店やオンライン販売を行ってきた。単独開催したイベントが好評だったことで自信を深め、今年8月11日に念願の自分の店をオープンした。
店名はフランス語で「海賊」を意味する。「浜松産食材の魅力や新しい味を発見する冒険」をイメージし、消費者の好奇心を呼び起こそうと名付けた。伊藤さんは「地域の食材に意外性ある食材を掛け合わせ、新たなフレーバーを提供したい。ここでしか食べられないオリジナルスイーツを体験してほしい」と話す。
店内面積は約10坪。伊藤さん自ら塗装したという白い塗壁に、いかりやかじのオブジェを飾り、海賊船の雰囲気を演出。現在はテイクアウト専門で販売しているが、今後は店内にイートインスペースを設ける予定という。
棚にはクッキー、フィナンシェ、マドレーヌなど約50種類あるメニューのうち常時15種の焼き菓子が並ぶ。「コーヒーしょうゆのマドレーヌ」(480円)は、自家焙煎(ばいせん)のコーヒー豆店「もとカフェ」(中央区住吉)の豆と静岡県産しょうゆを生地に練り込んで、みたらしのように甘辛く仕上げた商品。緑茶にシナモンやクローブなどのスパイスを加えた「スパイス緑茶のフィナンシェ」(480円)は、「まるたま製茶」(浜名区細江町)から仕入れた緑茶を使う。来月から販売予定の「スパイスベルガモットサブレ」(240円)は、「えなみ農園」(浜名区大平)のベルガモットにカルダモンを合わせ、酸味と辛みを混ぜ合わせた。このほか、ラッピング代(150円~)の追加で好きな商品の詰め合わせができるギフトセットも用意。水出しコーヒーやカシスレモネード(各500円)などのドリンクも販売する。
伊藤さんは「オープン後は、マルシェで販売していたころの常連客が多く来店しているが、今後はより地域に浸透するよう力を入れたい。見慣れないメニューも多いが、何度も試作を重ねて誰にでも愛されるシンプルな味に仕上げている。身構えず、多くの人に味わってもらいたい」と話す。
営業時間は11時~18時。火曜・水曜・木曜、第4日曜定休。