地元ブランド豚「三ケ日ポーク」など地元食材を使ったカレーの販売が11月1日、衣食住の複合施設「乎那の邑 美と善(おなのむら びとぜん」(浜松市浜名区三ケ日町下尾奈)で始まった。
1885(明治18)年創業の老舗菓子店「入河屋」が運営する同施設。「自然との調和を大切にした食・衣・住の空間」をテーマに、古民家をリノベーションして昨年10月にオープンした。敷地面積は約600坪で、空間デザインは芸術家・味岡伸太郎さんが手がけた。
カレーを監修するのは、「世界料理オリンピック第13回大会」で日本代表として金メダルを獲得した今井克宏さん。同施設社長の松嵜善治郎さんと今井さんは、松嵜さんの父親と今井さんが友人だったため幼少時から親交があったという。松嵜さんの結婚式の際には今井さんが料理を手がけるなど、長年の信頼関係があったことから、施設オープン前から今井さん監修のカレーを提供する構想を温めてきた。コロナ禍の影響で延期した計画を実現させたという。
年齢問わずより気軽に、健康に良く安心して食べられる料理として、コース料理を中心に提供してきた同店のメニューに加えたのは、「美と善オリジナルカレー」(2,460円)。浜名湖北西岸の三ケ日地域で、同地域名産品の三ケ日ミカンを加工した飼料で育てた豚の肉「三ケ日ポーク」など、できる限り地元食材を使う。三ケ日ポークは、赤身にコクがあり、脂がさっぱりとしているのが特徴という。このほかには、天日海塩、発酵調味料、磐田市の農業法人「農健」の無農薬栽培のササニシキなどを使う。小麦粉は使わない。オーガニックスパイスを配合し、フルーツを加えて甘みとコクを引き出すことで「優しい味」に仕上げるとも。ドリンクとデザートには入河屋の菓子をセットする。専用食器は栃木県益子町で制作した味岡さんの作品を使う。今後は、食器のみの販売も予定する。
メニューはこのほか、「シェフのお任せランチ」(4,000円)も用意する。季節ごとの食材を使い、現在はメイン料理に「三ケ日ポークのロースト 新城サツマイモのピュレ添え」を提供し、サラダ、スープ、パン、デザートをセットにする。
松嵜さんは「美と善のコンセプトの一つに『リスペクト』という思いがある。人・自然・食材・料理・空間・建物など、全てを尊重し調和する場所でありたいと考えてきた。この空間を体感することを元気や活力のもとにしてもらいたい」と話す。
営業時間は11時~16時。水曜・木曜定休。