国立大学法人浜松医科大学(所在地:静岡県浜松市、学長:渡邉 裕司、以下:浜松医大)と、シミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:中村和男、以下:シミック)は11月21日(金)に、国際的な競争力を持つ新たな創薬エコシステムの構築を目的とした包括連携協定を締結しましたのでお知らせいたします。
本協定は、両者の強みを融合し、国際的な競争力を持つ創薬研究・開発体制を浜松を拠点に構築することで、世界の医療課題に挑むことを目的としています。

写真左:浜松医科大学 学長 渡邉 裕司、写真右:シミックホールディングス 代表取締役CEO 中村 和男
【協定締結の背景と目的】
浜松医大は、光技術・画像診断分野における世界トップクラスの研究基盤に加え、霊長類まで対応可能な非臨床体制およびGMP準拠の高度医療体制、地域医療との強固な連携体制を有しています。一方、シミックグループは医薬品開発支援における豊富な実績と、希少な霊長類疾患モデルをはじめとする専門性、さらに国内外の製薬企業との幅広い連携実績を誇ります。
本提携により、両者の知見と強みを融合させた“日本発・浜松発”の革新的な創薬拠点を構築します。この新たなエコシステムを活用し、主に海外の製薬企業、バイオベンチャー、アカデミアが保有する有望な研究成果(シーズ)を対象に、実用化に向けた橋渡しを加速することで、新たな治療法を一日でも早く創出し世界の医療課題の解決に貢献してまいります。
近年、日本の医薬品開発は国際的な治験の流れから取り残され、「ドラッグロス」や「ジャパン・パッシング」といった課題に直面しています。本協定による新たな創薬拠点の構築を通じて、シミックと浜松医大は世界の医療に貢献する新たな価値を創造してまいります。
【協定の主な内容(重点項目)】
1. 次世代トランスレーショナルリサーチの構築
非臨床試験と臨床試験を一体化し、霊長類疾患モデルと先進的な画像解析を組み合わせた新たな開発モデルを構築します。これにより、開発スピードを飛躍的に向上します。
2. 臨床試験ネットワークの整備
試験の特徴や被験者のニーズに合わせ柔軟に対応できる連携体制を整備し、臨床試験の場としての日本の魅力向上に貢献します。
3. 浜松医療連携モデル(医療情報)の活用
地域医療との連携により集積される医療情報を活用し、革新的医療の早期かつ効率的な実現を目指します。
4. 創薬Open Innovationの創出
両者における人材の育成と交流を促進し、創薬イノベーションの創出を目指します。
■浜松医科大学について
浜松医科大学は、1974年に静岡県内唯一の国立医科大学として開学し、卒業生は高い専門性を有する医師・看護師等として、国内外の医療現場や教育・研究機関、行政機関などで幅広く活躍しています。教育では、豊かな人間性と高い倫理観の涵養を重視しつつ、プロフェッショナリズムやチーム医療の理解を深めるカリキュラム改革を推進し、他職種と連携しながら患者の意思を尊重した最善の医療を提供できる人材の育成を目指しています。研究では、光医学の卓越性を発展させるために設置した光医学総合研究所を中心に、アンメットメディカルニーズに応える病態解明や新たな診断・治療法の創出に向けた研究を推進しています。病院では、医療安全を文化として定着させ、地域医療の中核的役割を担い、建学の理念の患者第一の医療を実践するとともに、最新のロボット支援下手術システムやハイブリッド手術室など高度で安全な最新医療を提供し、医療のDXを推進しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
https://www.hama-med.ac.jp/
■シミックグループについて
シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器等の海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC("Personal Health Value Creator”)の展開を目指しています。シミックグループは、世界中に7,800人を超える従業員とグループ会社27社を擁しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
https://www.cmicgroup.com