浜松・元城の浜松城で3月28日、天守門を披露する竣工式が行われた。
浜松市では2009年度から、天守門周辺の発掘調査を行い建物の跡を調べた。その結果と江戸時代末期の浜松城が記された古絵図などの資料を基に2012年度から2年間かけ復元作業を行ってきた。
門の高さは10.28メートル。両方の柱を貫く横木である冠木(かぶき)や門柱などに使われる木材は市内で伐採されたヒノキやスギを使用。細部のデザインは資料が少ないため掛川城など遠州地方の城門を参考に復元した。耐震工事も施し、しっくい壁の内側を壁土ではなく中空にするなど、櫓(やぐら)の軽量化も実現。素材の鉋(かんな)がけを市内の高校生が手伝うなど、施工業者だけでなく市民の手も加わり作られた。
竣工式当日は、天守門を一目見ようと多くの人が来場。門開放後には笑顔で門をくぐる姿が多く見られた。「少女和太鼓魁鼓(かいこ)」の太鼓演奏が行われたほか、浜松のゆるキャラ「出世大名家康くん」が祝福に駆け付けるなどさまざまなイベントも開催。門の撮影に訪れていた市内在住の星野京市さんは「磨きかけられ立派な印象を受けた。天守門を見に観光客が増えるのでは」と期待を寄せる。
開館時間は8時30分~16時30分。入場料は高校生以上200円(3月28日~31日は無料)。