浜松で時価3,800万円の時計-日本最古の徳川家康の洋時計を純金製で復刻

光に照らされ輝く純金製「家康の時計」

光に照らされ輝く純金製「家康の時計」

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 浜松・中央の宝飾・時計専門店「安心堂 浜松店」(浜松市中区中央、TEL 053-454-7551)が現在、純金製の「家康公の時計」を展示・販売している。

「家康の時計」をみつめる家康くん

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 同店は1912(大正元)年創業で、100年を超える宝飾・時計専門店。江戸時代にスペイン国王から家康に贈られ、家康没後は久能山東照宮(静岡市駿河区)で保管されてきた「家康の洋時計」の復刻版「家康公の時計」(税別22万円)を昨年4月に販売開始。400個限定のところ現在までに約300個を販売している。

 同時計は日本最古の洋時計と言われ、2012年に久能山東照宮殿が国宝指定された際、国の指定重要文化財に指定された。同社では2010年に同商品販売・企画総合アドバイザーの高橋登志光さんが「静岡にもっと多くの観光客が訪れ、その交流の証しを当社から発信したい」という思いから発想。保管場所である久能山東照宮の落合偉洲宮司から承諾を取り付け開発を始めた。

 発想から試作までには2年の歳月を費やしたという同品。設計図を起こし、3Dプリンターで立体模型を製作。その後、鋳造会社が型を作り、鋳物を流し込み、大まかな形を作成。イメージ通りの色にするのにも多くの試行錯誤を繰り返したという。試作開始から5カ月を掛け最初の試作品が完成。その後、本物により近い製品にするため、さまざまな工夫を凝らした。

 400年前に作られた2800グラムの機械式時計に対し、復刻版は真ちゅう製で2400グラムの電池式電波時計。側面に描かれたデザインは、当時は化学薬品などの腐食作用を利用した表面加工の「エッチング」で施されているが、エッチングの線は鋳物では表現できないため、立体的に作ることで遠近法を表現しているのが特徴。ほかにも、裏ぶたを外す際、ネジを緩めたときにふたが落ちて破損することがないよう、工夫したのも復刻版ならではという。「21世紀だからこそできる技術で、400年前の魅力に近づけ、より使いやすい品質にしたのが現代の『家康公の時計』」と高橋さん。発想から4年の歳月をかけて完成し、販売にこぎ着けた。

 今年が家康没後400年の年ということで、同社では1月から真ちゅうで作られた同品を純金製にした「純金 家康公の時計」(時価3,800万円)を販売開始。100年以上続く企業として、偉大な足跡を残した家康に敬意の意を込め、400年の節目を宝飾店としてふさわしい形で後世に残すために商品化したという。

 本体に24金を使うほか、ネジは18金、文字盤はプラチナ製で重量は真ちゅう製の2倍となる4800グラム。今回、初めて浜松店で同商品を期間限定で展示している。展示を開始した3月26日には、浜松市の福市長である「家康くん」も来店。「良き物を見せてもらったのじゃ」と精巧な復刻版にご満悦だった。

 同商品は4月5日まで展示。店長の田中伸叔(のぶよし)さんは「これまで浜松ではお披露目することのなかったもの。約2週間展示するので、ぜひ足を運んでいただければ」と話す。

 価格は時価。完全オーダーメードで、納期は約3カ月。

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