浜松駅前の「遠鉄百貨店」(浜松市中区砂山、TEL 053-457-5245)で1月27日、浜松市立双葉小学校(海老塚)の6年生が起業体験学習「2011浜松キッズ・チャレンジ・ビジネス」に参加した。
もともとは市立南小学校で行われていた総合学習の一つで、2008年に市立高砂小学校との合併により開校した同小でも続けられた。同小になってからは今年で3回目。
同企画は児童28人が6つのグループに分かれ、商品開発から販売までを通して起業体験をするもの。各グループが会社を作り社長、経理部長、広報といった役に就き、草木染めをしたスカーフ(1,500円)やハンカチ(950円)などの商品を企画・販売。商品完売を目標にした。
企画のスタートは昨年4月からで、最初はリサーチから行った。販売を行う同百貨店の客層や人気の色、どういった商品が売れているのか、販売員の対応などを調べた。リサーチ結果から販売する商品の生地や色を決め、それぞれグループごとに草木染めの作家に発注。商品の染色は児童自身で行った。接客マナーや販売促進なども人事教育担当者より指導を受けた。
当日は10時に6店が一斉に開店した。同百貨店宣伝部の松本博秀さんは「最初は聞き取れないくらい小さな声だったが、商品が売れるに連れ自信がついたようで、声も大きくなり、接客もみるみる良くなっていった。ディスプレーなども子どもたちが自ら工夫したりと成長が感じられた」と話す。
販売から1時間もたつと完売する店も出るようになった。広報を担当した縣涼さんとゴラルチ・タイランさんは「最初はチラシを配っても受け取ってくれない人もいて苦労したが、自分が作ったチラシで商品が売れるとうれしかった。いつもは買う側だったが、売る側の大変さ、お金を稼ぐ難しさがわかった」と振り返る。
販売開始から2時間ほどで全てのグループの商品が完売し、目標を達成した。社長の藤原さくらさんと接客・広報の山本愛波さんは「商品の製作では染ムラがないように作ることに苦労した。接客では、どうしたらお客さんを呼べるのが難しかったが、やっていくうちにだんだん声も出るようになり楽しくなった。お店の人の大変さがわかった」と話す。
「こういった体験はどの子も初めてだが、やっていくうちに接客する声も出て、マニュアルにない対応をする子もいた。こういった企画は子どもたちにとって教育意義が大きく地域を巻き込んだ活動のメリットも大きい。今後も続けていければ」と同学級担任の金原昭夫先生は話す。