カフェ「村松商店グリーンティーカフェ」(浜松市中央区西山、TEL 053-485-8526)が11月8日、オープンした。
同店は、浜松市内で1939(昭和14)年から代々茶づくりを営む「村松商店」が新たに立ち上げた。自社農園と工場で製造した茶を販売する既存店舗に、カフェエリアを併設して営業する。店主の村松正浩さんは、茶の需要が伸び悩み供給過多の状況が続く中で、消費の切り口を増やそうと同店のオープンを決めたという。村松さんは「お茶の需要が減っているのは、時代の変化に伴って急須でお茶を入れることを面倒に感じる人や手間を省きたい人が増えたことが要因の一つだと感じる。カフェをつくることによって、茶を手軽に楽しむ機会を増やせたらと考えた」と話す。カフェメニューの製造は、製菓専門学校を卒業し、製菓の現場で勤務経験がある村松さんの妻・枝里香さんが担当する。
店舗面積は約10坪。席数は、テーブル席18席。店内は白色に日本茶をイメージした淡い緑色を基調にデザインした。壁には、天然のコケを急須の形にかたどったモスアートを飾るなど、温かみある空間に仕上げた。
同店では、村松商店が自社で作った煎茶、ほうじ茶、紅茶をベースにしたドリンクやスイーツメニューを提供する。ラインアップは、急須で入れた「煎茶ストレートティー」、「ほうじ茶ストレートティー」、「和紅茶ストレートティー」(ホット・アイス、各420円)をはじめ、手作りの茶シロップに炭酸水を合わせた「煎茶ティーソーダ」(660円)や、茶を豆乳で割った「煎茶ソイラテ」、「ほうじ茶ソイラテ」(アイス・ホット、各660円)などをそろえる。
スイーツメニューには、茶の風味となめらかな口当たりが楽しめるという「煎茶プリン~煎茶ソース添え~」(520円)、「ほうじ茶プリン」(490円)を用意。鮮やかな緑色の断面が目を引く「茶畑シフォンケーキ」(450円)はあんこ、生クリーム、餅のような食感の求肥(ぎゅうひ)と一緒に盛り合わせる。このほか、煎茶をふんだんに使った「お茶チョコケーキ」(480円)や、煎茶ジェラート、煎茶寒天などを載せた「お茶パフェ(あんこの茶花付き)」(1,400円)を取りそろえる。正浩さんは「普段から既存店にお茶を買いに来る高齢のお客さまにも受け入れてもらいやすいメニューを考えた」と話す。茶の味を引き立てられるように、保存料や着色料は使わず、シンプルな材料でレシピを考えたという。テイクアウトにも対応する。
オープン後の状況について、枝里香さんは「いつもは一人でお茶を買いにくる常連のお客さまが孫を連れてカフェに来られた。家族の時間が増えるきっかけとなる場所をつくれたことがうれしい」、正浩さんは「お茶を通して団らんを楽しんでほしい。誰でも立ち寄りやすいカジュアルなお茶カフェなので、地域の人にも訪れてもらいたい」と話す。
営業時間は10時~17時。月曜・火曜定休。