ムク材を使った学習机・雑貨の製造・販売を手掛ける「XYL(キシル)」(浜松市中区佐鳴台、TEL 053-415-8702)が9月1日、リニューアルオープンした。
キシルは2004年ごろから板屋町でヒノキを使った学習机などの製造・販売を始め、カタログやネット販売を中心に展開してきた。長野県や東京都にも直営店を出店している。
社長の渥美慎太郎さんは「小さいところからコツコツやってきて、最近ではネットなどのお客さんも増えてきた。認知度もある程度高まったと思い、お客さんと触れ合える店を構えようと思った。今回は店の移転だけでなく、もう一度コンセプトを考え直したりもした。それに合わせてロゴなども一新し、新しくスタートした」と話す。
店舗面積は30坪。天井の高い店内にはヒノキが香り、商品の机や雑貨などを展示する。大きい窓からは佐鳴湖近辺に生い茂る木々が見えるほか、外壁には天竜産のヒノキを使った。「昔からこの辺りで店を出したいというぼんやりとした考えはあった。いい立地なので、周りの景観を損なわない程度で、遠くから見て『何の建物だろう』と思えたり、ワクワク感のある店にしたかった」と渥美さん。
商品は、学習机(3万6,000円~)や棚、文具類、木製の玩具などに加え、東京のかばんメーカー「土屋鞄製作所」のランドセルも扱う。机などは主に静岡産のヒノキを使って作り、木の触り心地をなくさないようにオイルで仕上げる。
現在は、高さ調節のできる4本足机にワゴン、椅子などがセットになった「起き上がり机」(机棚付セット=9万9,800円)を数量限定で販売中。東北の縁起物「起き上がりこぼし」とイメージを重ね、売り上げの一部は義援金として日本赤十字社へ寄する。
商品は「学習机」と称しているが、シンプルなデザインのため大人でも使える。「『子どもの時にしか使えないものを買うのはもったいない』という声も聞くので、大人も視野に入れた企画で展開している。実際に小学校の中高学年や中学生になってからの時期に購入する方も多い」と話す。「安いものを買うのも節約だが、ずっと使えるものを買うというのも節約」とも。
商品には保証期間を設けているが、それ以外でも修理や相談に対応している同社。「木に興味が無い人ほど来てもらいたい。今は木っぽく見せているものも多く、木のことを知らない人も多い。キシルが木や職人などを結ぶ媒体になっていければ。ここに来ることで、木のことで新しい発見があり、買わなくても得した気分になる店にしていきたい」とも。
営業時間は10時~18時。火曜・水曜定休。