浜松・高林の不動産会社「プラス」(浜松市中区高林、TEL 053-478-5511)で現在、「赤毛のアン展」が開催されている。
奥田さんが執筆した「赤毛のアン レシピ・ノート」と「『赤毛のアン』の島で」
同展では、フリーライターの奥田実紀さんが「赤毛のアン」を研究して執筆した本や奥田さん自身が同作の舞台となったプリンスエドワード島に滞在した時の写真を展示する。
開催は今回で3回目。1回目は浜松・大平台で、2回目は東京・銀座で行われた。「定期的に展示したいと思っていたところに壁面を無料で貸してくださるということで、今回の開催が決まった」と奥田さん。
奥田さんは小学校のころに同作品を読み強く引かれた。社会人になってから雑誌で舞台となった島が実在するということを知り、休みを取って島に旅行に出掛けた。その時の島の魅力に引かれ勤めていた、会社を退社。ワーキングホリデーの制度を使って島に1年間滞在し、アンに関係のある場所を回って風景などを写真に撮りながら執筆に取り組んだ。「滞在当時には、実際に作者が生きていた時のことを知る人もいて、本当にいい時に行けた」と振り返る。
現在は「赤毛のアン」をテーマにした講座を開くほか、アンに関する記事などを書くフリーライターとして活躍している。同展でも展示する奥田さんの本は、作品に出てくる料理や洋服などの切り口から作品を解説している「赤毛のアン レシピ・ノート」や「赤毛のアンの庭で」、「紀行『赤毛のアン』」など全8冊。「赤毛のアン」の翻訳書も出している。
展示している写真は島に行った時に撮りためた写真が中心。温かい笑顔の島の人々や赤毛のアンの装いをした少女、作品に実際に出てくる風景などの写真を展示する。
「100年くらい前の話だが、島は作品の片りんが残っていてアンが好きな人が行ったらとりこになってしまう。四季折々の作品との接点を写真に収めているので楽しんでもらえたら」と奥田さん。「『赤毛のアン』という作品は読むと前向きになれる作品。戦後、希望の光にしたいと翻訳されたほど。震災などつらいことがあったばかりなので、明るく前向きなアンの姿を広めたい。いろいろと形を変えて今後もアンを伝えて行けたら」とも。
開催時間は9時~18時(土曜は12時まで)。日曜・祝日は休み。入場無料。3月8日まで。