浜松駅ビルメイワン8階の「谷島屋書店 浜松本店」(浜松市中区砂山町、TEL 053-457-4165)が10月2日、遠州物産コーナー「えんにち」を設置した。
インターネットで簡単にものを購入できる現代において書店はこれからどうあるべきかと考えていた同社。同時期に、地域の良いものを発信したいと考えていた遠州綿紬(つむぎ)を扱う「ぬくもり工房」の大高旭さんと出会った。大高さんは文化の発信地として機能する書店で物産コーナーを設置してはどうかと提案。ローカルチェーン店だからできることは何かという答えとして、地域の魅力を集めた物産コーナーで地域の良さを発信しようと企画。「ぬくもり工房」と遠州の良いものを紹介する「TOWTOWMI.JP」の協力を得ることで、物産コーナーの設置にこぎ着けた。
コーナーは「遠州の日常を楽しむ」というテーマから「えんにち」と名付けた。地域の人だけでなく駅ビルに来た県外からの人にも魅力を伝えたいという思いから同店の入り口に設置。浜松の製品を並べ、それぞれのストーリーをパネルで紹介する。地域の良いものを販売するだけでなく商品のストーリーを語ることで、書店として「文化の発信」を意識しているという。
販売する商品は遠州・浜松の食材を使ったレシピ本「遠州ざんまいレシピ」(1,300円)や遠州綿紬の「はんかち」(540円)、「メガネケース」(1,080円)など、浜松で生産された商品18種類が並ぶ。無添加ジャムの専門店「ひなたカフェ」からいちじくやあんずなどの「ジャム」(850円~)や、養紡屋(ようほや)からは天竜の山里で農薬の影響を受けにくい環境で育てた「はちみつ Mサイズ」(800円)などの食品も扱う。ほかにも首の負担を減らすことのできる携帯用枕「ネックラック」(8,424円)や「HUIS(ハウス)」が提供する高密度で細い糸を織った遠州織物の「バッグ」(5,616円)、「ハンカチ」(1,836円)などもそろえる。本や食品、生活雑貨、服飾と幅広いジャンルの浜松の魅力が詰まった商品が並ぶ(以上、税別)。
「県外からの人も多く立ち寄る同店で、あまり知られていない浜松産の良いものを発信し、魅力を伝えていきたい。どの商品にもストーリー性があり、それぞれの物語にも興味を持ってもらえたら」と専務の斉藤晋一郎さん。「これからも季節に合わせたものを取り扱ったり、ワークショップを開いたりと進化させていけたら」とも。店長の松下心一さんは「珍しいものが置いてあると関心を持って、手に取ってくれる来店客が多く、まずまずの手応えがある。まだまだ浸透していない部分は大きいので、地元の魅力の発信に努めたい」と話す。
営業時間は10時~21時。