浜松・田町の万年橋パークビル(浜松市中区田町)で11月11日・12日、クラフトイベント「nicor(ニコリ)2017」が開催される。
主催者の山中郁美さんはものづくりが好きで大学生時代から「ふふっとにっこり、心が動く瞬間をつくりたい」という思いから「nicor」の名前で手芸活動をしていた。その後、幼稚園教諭や地域文化向上のイベント企画の仕事を通じ、子どもから大人までさまざまな世代の人に出会う中で、「暮らしの豊かさや心が動く瞬間をつくりたい」という思いが強くなった。人の心を豊かにするきっかけづくりとは何かと考え、今までの人脈や出会いの中で日本の良いものを扱う店やクリエーターを集めたイベントの開催を決めた。
会場の各ブースに植物や緑色を置くことで、駐車場の無機質な空間に自然をイメージした空間を作り上げるという。スタッフは服の一部に緑のものを着用し、今回のイベントのテーマカラーで会場イメージの統一感を出す。
出店する店舗はアクセサリーや雑貨、書籍、農産物、飲食店などさまざまなジャンルで、それぞれの製品に込める思いやこだわりなどのストーリーがある店舗を選んだという。静岡県を中心に東京や大阪など日本のさまざまな地域から32店舗が出店。書籍関係では少部数で発行する自主制作出版の「ZINE(ジン)」を販売する書店「栞日(しおりび)」や、アート系の書籍を扱う「BOOKS AND PRINTS」。腕時計店「Nakari Watch JP」は木の種類やベルトの種類が選べる木製の腕時計を販売する。「どんな服にも似合い、使えば使うほど肌になじむ」という。「榊麻美植物研究所」は器や手作りの盆栽を販売し、「家族のように植物を育ててほしい」という植物に対しての思いも伝える。ほかにも、有機無農薬の銀杏の販売店や、がんもどきのバンズにご飯や野菜、ソースを挟んだ和風バーガーなど飲食系の店舗も出店し、普段出合えないような品を扱う店が多く並ぶ。
「県外になかなか行けず、全国の良いものに触れる機会が少ない人も多いはず。心を込めて丁寧に作られたものを集めた。自分の気に入ったものを買えば、愛着が湧き長く大切に使うようになり、心の豊かさにつながると思う」と山中さん。「作り手と直接話せる機会はあまりないので、作品の魅力を聞くことで日々の生活に取り込んでもらえたら」とも。
開催時間は11日=10時~16時、12日=10時~15時。