浜松・水窪町に新たなカフェを開こうと、「ライオンカフェ」と和菓子店「小松屋製菓」がコラボし、2月20日からラウドファウンディングで支援を呼び掛けている。
浜松のマチュピチュと呼ばれる天空の里「農家民宿ほつむら」や1300年以上続く「西浦の田楽」など自然の観光資源が豊富な水窪町。最寄りのコンビニエンスストアまで約50分かかり、電車は1~2時間に1本という天竜区でも田舎に位置する。観光客からは「せっかくの良い景色があるのに、落ち着いて一休みできる場所がなく、もったいない」という声があり、地域住民にとっても数人で気軽に集まれる場所が無く「カフェが欲しい」という声があったという。
冨士川凛太郎さん夫婦は約4年前から同所で「ライオンカフェ」を営業していたが、イベントやジャムの販売などに使うだけで、毎日オープンすることができていなかったという。周りの人たちの声に応えたいという気持ちから、本格的に営業しようと水窪町の老舗和菓子店「小松屋製菓」と協力し、今年のゴールデンウィークの正式オープンに向けてプロジェクトを立ち上げた。
カフェは国道沿いで、水窪川沿いに位置し、倉庫だった建物を改装して作った空間。棚を作ったり、床を貼ったりと冨士川さん自身でもカフェの改装を行ってきたという。約25坪の店内にはハンモックやまきストーブ、ソファなどを設置し、「日常の中の非日常」を感じられる空間を演出。カウンターで酒を飲みながら集い、大型スクリーンを使ってプレゼンを行うなど、地域の未来について語り合える場所にしたいという。
カフェでは地元の食材や川魚、雑穀、水窪在来種のじゃがいもを使った料理などを提供する予定で、小松屋製菓の和菓子も提供する。クラウドファウンディングで集まった資金は、外装や川に面した席、キッズスペースの設置に使い、水窪への来訪者だけでなく、地域の人たちにとっても居心地の良い空間づくりをしていくという。
「美しい自然、美しい空間からアイデアが生まれ、人間関係や新しい発見が生まれると思う」と冨士川さん。「今までに水窪に縁があった人も、これまで来る機会がなかった人も、休憩する場所ができ、水窪をより楽しんでもらえるようになる。オープンにあたり、たくさんの人に関わってもらうことで、水窪を自分の居場所のように感じてもらい、水窪の一員になってもらえたら」とも。
クラウドファウンディングでは目標額200万円の支援を呼び掛けている。3月30日まで。ゴールデンウィークのオープンを目指す。