浜松・横山町に3月3日、カフェ「Miles Tone(マイルストーン)」(浜松市天竜区横山町)がオープンした。
店主の安富厚さんは学生のころから定年後にカフェを経営したいと漠然と考えていた。学生時代は「遊ぶ・学ぶ」、サラリーマン時代は「働く」、定年後を「楽しむ」と、人生を3つの期間に区切って考える安富さん。60歳から新たなスタートを切ろうと、昨年2月に退職。生涯現役であり続けたいという思いで、コーヒー焙煎(ばいせん)をするために落ち着いた環境の同所を選び、昨年5月に準備を開始した。約9カ月間かけて築100年以上の古民家をセルフリノベーションし、オープンにこぎ着けた。
店舗面積は約12坪。カウンター4席、テーブル12席の計16席。学生時代は登山が好きだった安富さん。山小屋をイメージし、古民家の張りや柱を残し、床や壁など全て自分で貼り替えた。店内には幅約90センチの大型スピーカーを置き、自身の好きなジャズを流す。ジャズ入門者にも聴きやすい曲やジャズに慣れ親しんだ人への選曲など、客に合わせて曲を変えるという。
提供するコーヒー(500円)はエチオピアの「イルガチェフェ ナチュラル」や「モカ」、インドネシアの「マンデリン」、コロンビア、タンザニアなど7種類を用意。焙煎機を用意し、全て自家焙煎にこだわる。焙煎したてを提供するのではなく、適度にガス抜きをしてなじませる「エイジング」をすることで、コーヒーのおいしさが一番いい状態で提供できるという。紅茶は「ダージリン」「アールグレイ」「アッサム」(以上400円)のほかに、ミルクの中に茶葉を入れて煮出した「インディアンミルクティー」(500円)も用意。生クリームとシナモンをトッピングすることで、女性に人気があるという。
サラリーマン時代に北海道での生活が長かった安富さん。北海道で食べ歩いて一番おいしいと思った「ジェラート」(350円)を北海道から仕入れて提供する。「北海道ミルク」「イチゴミルフィーユ」「ベリーベリー」の3種類の味をそろえる。
「北海道で働いていた期間が長く、いろいろな過疎地を見てきたが、天竜の地はあまり元気が無いと思った。この地に新たなカルチャーを起こし、人が集まる地域にしたい」と安富さん。「コーヒーブランドを確立し、リピーターが増え、人の流れができたらと考えている。この地域から人が減るのではなく、『天竜っていいね』と言ってもらってUターンしてもらえるような地域にしていきたい」とも。
営業時間は10時~18時。水曜定休。