浜松市動物園(浜松市西区舘山寺町、TEL 053-487-1122)で3月20日、カピバラの赤ちゃん2頭が誕生した。
カピバラは南アメリカ東部アマゾン川流域を中心に、温暖な水辺に生息する動物。ジャガーやワニなどの天敵から逃げるために警戒心が強く、走ることも泳ぐことも得意で動きが速いという。同園では約3年前からカピバラの飼育を開始。以前にもメスのカピバラが妊娠をしたが、出産直前で母子ともに亡くなってしまった。
同園では約1年前に、新たにメスの「はんぺん」の飼育を開始。今月20日の朝、飼育員の鈴木英孝さんがエサをあげに飼育小屋へ行くと、はんぺんが赤ちゃんを出産している最中だった。はんぺんにとっては初の出産。3頭の赤ちゃんを産んだが、鈴木さんが駆け付けた時には、最初に生まれた1頭の体には傷があり、すでに死亡していたという。
2頭のカピバラは生後約30分で移動できるまでになり、1日目から一般公開を開始。4日目から親のまねをしながら柔らかい生草やリンゴ、キャベツなどを食べるようになり、順調な成長をみせている。
来園客はカピバラの赤ちゃんの愛らしい姿に「かわいい」と反応し、生まれて間もない赤ちゃんの公開に驚くという。「カピバラは警戒心が高い動物だが、気を許した時の無防備な姿にほっこりする。SNSなどで拡散された情報をもとにカピバラを見に来る客も多い」と鈴木さん。
今月2日にはクロヒョウの赤ちゃんも誕生。現在は母親が赤ちゃんの面倒をみていて、飼育員も刺激をしないように観察している状態。同園では以前にも出産に成功しているが、生後4カ月で亡くなってしまったという。クロヒョウ飼育員の加藤真二さんは「クロヒョウを飼育している園は日本でも少なく、出産例は同園以外では富士サファリパークくらいしか聞いたことがないので珍しいはず。自分で動けるようにならないと公開できない。14日時点でやっと目が開いた。順調にいけば生後3カ月ごろから一般公開できるかもしれない」と話す。
開園時間は9時~16時30分。