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浜松の遠州鉄道現存最古の車両が引退 鉄道ファンから人気の吊り掛け式駆動車両

同社が保有する営業車両で最も古い「モハ25号」

同社が保有する営業車両で最も古い「モハ25号」

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 浜松の遠州鉄道が4月28日・29日・30日、遠州鉄道30形「モハ25号」の勇退記念特別列車を運行する。

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 1978(昭和53)年に新車として導入された同車両。保有する営業車両の中では最も古く、約2年前まで現役として活躍していたが、車両の老朽化を理由に2年前からは予備車両として使われてきた。近年、各駅のホームに、順次転落防止用の固定柵を設け始め、古い型の車両は扉の位置が違うことから適さなくなってしまった。老朽化と安全性の問題から同車両は引退することになり、優待記念特別車両の運行イベントの開催を決めた。

 同社の中で唯一の吊り掛け式駆動となる同車両。正面の2枚窓と丸いヘッドライトが特徴的で、鉄道ファンから「湘南フェイス」と呼ばれ人気があるという。予備車両となってからの2年間、ファンの中から「乗りたい」という声が多く、夏休みに特別運行のイベントを開催。現在の車両とは違う外観や、うなるようなモーター駆動音を楽しむ人が多いという。「吊り掛け式の車両は路面電車ではまだ使っているところはあるが、走行スピードが出るような鉄道でまだ走っているところは全国的にも珍しい。主流だったころに乗っていた沿線の人や全国の鉄道ファンからは引退してしまうのは寂しいという声も多い」と同社営業所の黒田正人さん。

 イベント当日は新浜松駅から西鹿島駅の間を2往復し、1往復120人乗車する。同イベントは応募者のみの限定で、応募者の約半分が県外。東京や神奈川、大阪、名古屋など東西さまざまな地域からの応募があったという。人を乗せての運行は同イベントが最後。新浜松駅では優待記念乗車券の販売や、車両部品の販売も行い、車両番号の入ったプレートや刻印入りのプレート、車両の手すりなど、昨年引退した車両の部品を用意し、一般客も購入できる。

 「浜松で長らく活躍してきた同車両を見送ってもらえることはありがたいこと」と黒田さん。「今回のイベントには県外からも多くのファンが来てくれる。乗る人も、沿線で写真をとる人も多いと思うが、周りの方に迷惑をかけないよう気をつけ、安全で楽しいイベントにしたい」とも。

 イベント運行時間は各日2往復。1往復目=新浜松駅10時28分発~西鹿島駅11時4分着、西鹿島駅11時40分発~新浜松駅12時16分着。2往復目=新浜松駅13時28分~西鹿島駅14時4分着、西鹿島駅14時40分~新浜松駅15時16分。

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