浜松・寺脇で上野動物園のパンダ「シャンシャン」の田んぼアートが見頃を迎えている。
地域の有志を募って結成した「白脇田んぼアートの会」が、地域力向上の一環として町おこしをしようと8年前から始めた同企画。毎年子どもが喜びそうなキャラクターを選び田んぼアートを公開している。今までにはアンパンマンやドラえもん、家康くん、直虎ちゃんなどを製作。今年は子どもから親しまれている東京・上野動物園のパンダ「シャンシャン」親子の田んぼアートを描いた。
「ヒヨクモチ」と「紫黒米」、「ピンク米」、「赤米」、「みどりもち」の5種類を使い分けて描いた同作品。約720坪の田んぼに、紙に起こしたキャラクターの図面を当てはめ、1メートル間隔で竹の棒で印をうってパンダの輪郭を成形。9月中旬に見頃を迎えるように、稲の成長速度を逆算し、6月初旬から2回に分けて田植え実施した。田植えは地元の高校生や農協関係者、同会のメンバー約30人で実施。パンダの黒色部分には「みどりもち」を使い、シャンシャンには「紫黒米」を使うなど、黒色が隣り合わせになっても区別がつくように工夫した。「8年も続けてきたので製作にもなれてきたが、輪郭の美しい曲線を描くのはとても難しいもの。穂の出る時期がそれぞれ違うので、成長時期をそろえるのも毎年苦労する」と同会副会長の外波山浩司さん。
9月1日から公開したが、竹の棒をかじる愛らしいシャンシャンに母親のシンシンが寄り添う構図で描かれている。現地には高さ約4メートルの足場を設け、見下ろす形で全景を眺めることができる。公開最初の土曜・日曜には、約360人が来場したが、今年は台風の影響や雨の日が多く客足が伸びないという。
「台風の影響で稲が倒れてしまう心配もしたが、被害がなく安心している。天候のせいで例年に比べ人が少ないが、見頃を迎えているのでぜひ見に来てほしい」と外波山さん。「田んぼアートをやっているところが浜松には他にないので、このあたりの名物になってきている。しかし、同会のメンバーも高齢化が進み、続けていくのも大変。子どもたちに喜んでもらうために、若い人の力を得て次世代につなげていきたい」とも。
見学無料。公開は9月30日までの予定。