民間団体「浜松パワーフード学会」(浜松市中区旭町、TEL 053-454-2219)が4月16日、設立された。
NPO「出世の街浜松プロジェクト」代表理事の秋元健一さんを会長に、徳川宗家19代の徳川家広さん、国際日本文化研究センター准教授の磯田道史さんが顧問を務める同団体。浜松で収穫された食材を浜松で食べていくことを積極的にPRし、食を起点に観光誘客と地域の活性化を目的として団体を設立した。
日照時間が長く、温暖な気候で豊かな自然に囲まれた浜松市。市内で生産・漁獲される農産物は約170品目、水産物は約150品目にのぼる。浜松の豊富な旬の食材が、浜松の豊かな食文化を育み人々の健康を支え、浜松で17年間を過ごした徳川家康の躍進を支えたと考えている同団体。健康寿命日本一に輝いたことのある浜松市を支える浜松・浜名湖産の食材や、その食材を使った料理を「浜松パワーフード」と名付けた。「『○○野菜』など地域の名前を入れたブランドはあるが、浜松は野菜だけでなく水産物にも恵まれ、食において素晴らしい街だということを推していきたい」と秋元さん。
書家の金澤翔子さんが書いた「浜松パワーフード」の文字と徳川家の葵御紋を組み合わせた同団体のロゴ。浜松のパワーフードを使った加工品にロゴを付け、浜松パワーフードを使った料理を提供する飲食店に看板を設置するなど、ロゴを活用していくという。飲食店であれば、浜松パワーフードを使った料理を5品以上常に取り扱う、加工業であれば1商品に対し50パーセント以上の浜松パワーフードを原料としていることなど、業種ごとに厳密な規約を制定。審査会を開き、規約を満たしたものが認定される。
「徳川家康は『命は食にあり』という言葉を残しているほど食を重視していた。浜松はものづくりの街でもあり、ほかの地域とは違う風土を持っている。生産者や業者の横のつながりを強くもち、情報を共有していくことで、食文化の底上げをしていってもらいたい」と磯田さん。秋元さんは「浜松の食を目的に、世界から観光客が訪れるようにしていきたい」と話す。