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浜松・紺屋町の絵本専門店が10周年 周囲の応援・励ましで苦境乗り越え

ブックフェアを開催する「画本-宮沢賢治シリーズ」

ブックフェアを開催する「画本-宮沢賢治シリーズ」

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 絵本専門店「絵本の店 キルヤ」(浜松市中区紺屋町、TEL 053-477-2687)が5月16日、10周年を迎えた。

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 子どもから大人まで楽しめる絵本を、日本作家のものから海外のものまで約500冊そろえる同店。ロングセラーやメジャーな絵本は置かず、店主の星野紀子さんが良いと思った本で、客に読んでもらいたいと感じたものを店に並べる。「一般的に大人向けの絵本として売られていても、当店はあえて世代で読む絵本を分けていない。全世代に楽しんでもらいたい」と星野さん。絵本の魅力の一つである表紙をできるだけ見せるように陳列し、販売する。

 開業のきっかけは、30年以上続いた児童書専門店がなくなることを惜しみ、絵本の好きな星野さんが同じ場所で絵本店を始めたいと思ったこと。児童書専門店のオーナーの協力もあり、開業にこぎ着けた。

 星野さんは10年間を「続けることが一番大変だった」と振り返る。2日3日客が来ない日もあり、やっていけないのではないかと思い悩むことも多かったという。消費税が8%に上がった年は来店客が激減。周りの人の協力や励まし、応援もあり営業を続けてきた。悩みも多かったが、客が気に入った絵本を見つけたり、今まで絵本に興味のなかった人が絵本を好きになったりするたびにうれしかったという。

 10周年に当たり、以前から星野さんがやりたいと思い続けてきた小林敏也さんの「画本 宮沢賢治」のシリーズをそろえたブックフェアを開催。「銀河鉄道の夜」や「雨ニモマケズ」「やまなし」「注文の多い料理店」など16種類を集めた。小林さんが手掛ける絵本は、表紙とカバーの絵が違う点や、ページごとに文字の色に変化をつけたり、紙質にこだわったりと細部にこだわりを持っているという。ほかにも違う作家が描く宮沢賢治の絵本を6冊用意。「すごく気持ちの入ったブックフェア。買わなくても、一度手に取って見てもらいたい」と星野さん。「いつまで続けていけるか分からないが、来店してくれる客にとって居心地の良い絵本店と思ってもらえるように頑張っていきたい」とも。

 営業時間は12時~18時(土曜・日曜・祝日は11時~)。火曜・水曜定休。ブックフェアは今月27日まで。

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