ライブハウス「浜松窓枠」(浜松市中区板屋町、TEL 053-451-3035)が9月1日、15周年を迎える。
2004(平成16)年に会長の上嶋常夫さんが始めた同ライブハウス。上嶋さん一家は音楽が好きで、常に生活の中に音楽がある暮らしをしてきた。息子で現在社長の上嶋潤さんも当時はバンド活動をしていて、常夫さんがライブを鑑賞することもあったという。売れないバンドなどを家に招いて泊めることもあり、バンドマンの面倒をみたいと思っていた常夫さん。ライブハウスの運営経験はなかったが、浜松駅に近い板屋町を選び開業した。
開業当初は、皆ライブハウスの運営経験に乏しい素人で、手探りで営業してきたという。分からないことも多く、イベント会社に助けてもらったり、出演者に意見を聞いたりと、周りの助けを得ながら運営を続けてきた。
5年半後、同所の土地が空いたことを知り、以前の1.5倍の広さのライブ会場を備えた4階建ての自社ビルを建設。1階のメイン会場は天井の高さ約6メートルと開放感のある空間で、収容人数は約400人。2階にはカフェを備え、アコースティックライブができ、4階には練習用のスタジオを設けた。移転したことで以前より有名なアーティストが来ることも多くなり、「音がいい」と同ライブハウスを気に入ってくれる出演者もいるという。「当時は、ヤマハと相談し良い機材を入れた。ライブハウス用に天井も高くしたので、手を上げたりギターを振りかぶったりして天井や照明に当たることもない」と潤さん。
ライブは、全国のバンドのライブツアーを中心に、地元バンドのライブイベントも開催。毎月開催する「浜松ロックサミット」や、年に3~4回開催するJ-POPカバーバンドのライブイベントは地元バンドが主体となり、オープン当初から長年利用するバンドも多いという。浜松在住のインストバンド「アダムアット」は、デビュー前から同ライブハウスを利用。バンド「ヤバイTシャツ屋さん」の浜松出身のメンバーは学生時代にライブを開催していたこともあり、同ライブハウスから巣立っていったバンドもいるという。ミュージシャンの田島貴男さんや「ザ・クロマニヨンズ」など全国で活躍するアーティストの中には、同ライブハウスが気に入り毎年ライブを開くアーティストもいる。
出演するアーティストによって客層が変わり、10代から50代まで幅広い世代の客が来場。既存の曲に自分の歌を乗せた動画を投稿する人「歌い手」が若者の間で定着してきたことからら、人気の歌い手によるライブを開催したところ、チケットがすぐに完売。中高生など若い世代が多く来場し、「こんなに反響があり、若い人にささる音楽なのか」とスタッフも驚いたという。
「日々うれしいことの連続。客や出演者、スタッフなど皆がライブを終えて喜んで帰っていく姿を見ることができることがとてもうれしい」と潤さん。「今後もひたすらライブを開催していきたい。スタッフも年をとってきたので、若いスタッフを入れて少しずつ新しい風を吹かせていけたら」とも。
15周年を迎える当日は食事やドリンクを用意して感謝祭を開催。普段スタッフと客がゆっくり話をする時間がないことから、日頃の感謝を伝えながら、思い出話をしていくという。
感謝祭開催時間は13時~20時。