交流拠点「FumiShun Base Hamamatsu(ふみしゅんべーす)」(浜松市中区田町)が2月16日、オープンした。
浜松市出身で、ユーチューブのチャンネル登録者が192万人おり、フィリピンで活動中の三海郁弥(さんかいふみや)さん。昨年12月に肺気胸にかかり、スケジュールをすべてキャンセル。治療のために浜松に戻ってきた。フィリピンでは忙しい毎日を送っていたが、入院中の病室ではゆっくりと考える時間ができた。もともと、秘密基地というコンセプトで「FumiShun Base」を立ち上げたが、リアルでも秘密基地を作りたいという気持ちになったという。そこでフィリピンの人への恩返しの気持ちと、故郷に貢献したいという気持ちから、浜松に交流拠点を作ることを決意。同施設のオープンにこぎ着けた。
店舗面積は約20坪。展示スペースには、ライブを行った際の衣装や、YouTubeの動画で実際に着用した帽子や使用したグッズ、ファンレターの一部、テレビ番組で実際に来ていた服などを多数展示。ほかにも、三海さんがフィリピンに行ってから現在までの歩みがわかる写真や、ファンがメッセージを書くためのボードが置かれ、自らがデザインしたTシャツ(3,200円)やタオル(2,500円)などのグッズ販売も行う。奥には靴を脱いで座れるスペースがあり、プロジェクタースクリーンを設置。将来的には、映像を見たり、持ち込みして食事をしたり、会話を楽しんだりできる貸しフロアにしたいと考えている。
2017(平成29)年に語学留学のため単身フィリピンに渡った三海さん。異国での暮らしは、言葉も通じず、文化も違うため苦労が多かったという。当初は、自身の近況を家族や友人に知らせるため、YouTubeに動画をアップしていた。そんなとき、フィリピンの名物料理で、孵化直前のアヒルの卵を茹でた「バロット」を食べる動画をアップした。おいしくないというリアクションが「面白い」とフィリピン人の目に留まり、そこからYouTubeを見てくれる現地の人がどんどん増えていったという。その後、フィリピンのテレビ番組のリアリティショー、Pinoy Big Brother(ピノイ・ビック・ブラザーズ)に出演したことがきっかけで、人気に火が付き、映画やドラマへの出演やライブを行うなど、俳優や歌手として活躍している。
オープン当日は、朝から50人以上の人が並んだ。「このためだけに来た。これを見たら帰ります」という東京から来た日本人の女性や「フィリピンでは本当に人気がある。今日は会えるのを楽しみにしてきた」と話す名古屋から来たフィリピン人の女性などがいた。
「日本人とフィリピン人の架け橋になりたいと思って作った。たくさんの方に来ていただいて、自分のことやフィリピンのことを知ってほしい」と三海さん。「みんなの秘密基地として作ったので、気軽に寄っていってほしい。ファン同士のコミュニティの場になればうれしい」とも。
営業日時はツイッターで告知する。