浜松市楽器博物館(中区中央、TEL 053-451-1128)がユーチューブチャンネル「浜松市楽器博物館」で動画配信を始めた。
県外からの来館者も多く、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、現在臨時休業中の同館。「学校が休みになり、思うように外出できずにストレスがたまっている子どもたちのためにも、自分たちにできることはないか考えた」と職員の増田博行さん。せっかくなら楽器に関するものをと考え、動画の配信を決定。同館の職員が、台本の執筆、出演、動画の撮影、編集などの業務を行い配信している。
今回公開したのは、「家にあるもので楽器を作ること」をテーマとした3本の動画。自粛要請が出ていることもあり、わざわざ外出して購入するものではなく、「家の中にあるものでできる」というところがポイント。アイルランドで実際に使われているスプーンで作った楽器と、ペットボトルを使った楽器の作り方や演奏方法を紹介する。ペットボトルの楽器は、音階を作って演奏できるほか、周りに貼る紙の色を変えることで見た目も楽しむことができる。
子ども向けに作った動画のため、子どもにあわせた口調で、ゆっくりはっきりとしゃべるなど、分かりやすいように工夫。ほかにも、興味を持ってみてもらえるよう、うさぎのキャラクター「ガッキー」を登場させた。今後も少しずつ動画を増やしていく予定で、すでに撮影した動画もあるため、編集して5月中には配信するという。過去の演奏会ダイジェスト版などの配信も検討。いずれは、学生や大人向けに、世界中の楽器の音色が聞ける動画など、新たな動画製作も視野に入れる。
「芸術に関することは、なくても生きていくことはできるかもしれない。しかし、子どもの精神の発育のためには必要なものだと思う」と増田さん。「外出しにくい今だからこそ、動画を利用して家で楽器を作り、演奏をして楽しんでもらえればうれしい」とも。