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浜松・三ヶ日町のパン店が4周年 地元の環境を守りたいとオーガニックを意識

たくさんの方の来店を期待する、店主の松嵜善治郎さん

たくさんの方の来店を期待する、店主の松嵜善治郎さん

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 パン店「入河屋五代目善治郎」(浜松市北区三ヶ日下尾奈、TEL 053-525-0902)が6月1日、創業4周年を迎えた。

古代小麦100パーセントの「5代目の食パン」

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 東日本大震災の後、菓子よりももっと気軽に食べられるものを提供できないか考えた店主の松嵜善治郎さん。菓子作りのノウハウや素材を利用してパン店を開店。創業130年を超える老舗和菓子店「入河屋」だからこそ作れるパン作りを行い、和菓子は地元の人や観光客が多かったが、同店オープン後は、市中心部から来店する人も増えたという。

 ケーキに近いデニッシュ系のパンを多く提供する同店。定番商品として、フランス産AOPバターと小麦を使い、ふんわり優しいサクサク感が味わえる「クロワッサン」(200円)を用意。国産小麦とフランス産バターを使った生地に、あんこと生クリームを合わせた「くりーむクロワッサン」(390円)も、発売当初からよく売れているという。ほかにも、古代小麦の一つで品種改良をしていない「スペルト小麦」を使ったパンを用意。「どこか懐かしい味。シンプルなので小麦のうまみが分かる」と松嵜さん。砂糖ではなくオリゴ糖を使った「5代目の食パン」(590円)のほか、つぶあんを使った「5代目のあんぱん」(240円)や「チーズパン」(220円)、「くるみパン」(220円)などの商品をそろえる。

 浜名湖の汚染が進んでいることもあり、自分たちが住む場所の環境を守り未来の子どもたちのために良い環境を残したいという思いから、環境に配慮する意識が高めるためにオーガニックコーナーを用意。松嵜さんが納得し、自宅でも使っているというオーガニック商品を提供する。「加藤農園」(北区都田町)の無農薬野菜のほか、「農健」(磐田市)の農薬や肥料を使わず栽培したという「ササニシキ」(2キログラム=1,700円)や、「栄醤油醸造」(掛川市)の有機栽培丸大豆、小麦を使ったしょうゆ「天」(200ミリリットル=650円)など、20種類ほどを用意。開店当初は、まわりのオーガニックに関する意識がまだ低く「理想だけではうまくいかない」と反対していた人も、続けてきたことで「こういうのも必要」とオーガニックを認めてくれるようになったという。(以上、税別)

 新型コロナウイルス感染拡大防止対策として現在はイートインを閉鎖中。スタッフはマスクの着用を徹底し、店内には来店客用の消毒を準備。1時間に1回程度、窓を開けて換気を行っている。

 「ありがたいことにまわりの人たちに支えられ、応援してもらってここまで来ることができた」と松嵜さん。「今の店舗から徒歩5分くらいのところにオーガニックを集めた店を作る準備をしている。今年の秋のオープンを目指しているので興味がある人には、ぜひ来てほしい」とも。

 営業時間は10時~16時。水曜定休。

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