地域交流イベント「大平台Nizi(にじ)フェスタ」が3月13日、開催される。
主催は、浜松市立大平台小学校のPTAとそのOB、自治会で構成する「大平台明るいまちづくり実行委員会」。新型コロナウイルスの影響を受け、本年度は小学校のイベントが軒並み中止。例年開催する夏祭りや冬のバザーも中止し、準備や当日の運営を通じた地域間の交流も無くなってしまった。何もできない子どもたちの姿を見て、良い思い出を作ってあげたいと考えた同団体。同じタイミングで、市議会議員の稲葉大輔さんから、町のシンボルの電波塔をライトアップする提案を受け、これをメインとしたイベントを地域一体となり開催すれば、子どもたちの記念に残り、地域交流が深まると考え、開催を決めた。
電波塔は高さ103メートルの鉄塔で、町のシンボルとして親しまれる。ラジオ局「K-mix」(中区常磐町)の電波も発信しており、当日は会場から公開生放送する。愛称コンテストの様子や、大平台小学校の生徒たちが制作した、電波塔をモチーフにした工作やポエムなどを紹介。愛称コンテストには、現在200点ほど応募が届いている。今後の公式な呼称を決めるものではなく、各アイデアを評価し楽しむ企画で、入選者には景品を用意する。
SDGsへも取り組む同地域では、来場者全員でゴミ拾いをする「クリーン作戦」をイベント中に開催。浜松市からの提案により、水素燃料電源カーを展示し、環境問題に関するブースも設ける。ライトアップは、LED照明機器を製造する「パイフォトニクス」(東区天王町)の技術を使う。点灯に要する電源は、水素燃料電源カーから供給し、当日に限り18時から21時まで照らす。そのほか、キッチンカーと地元飲食店の出店や、ダンスやバンド演奏などのステージイベントも開催。駐車場がないため、公共交通機関での来場を呼び掛ける。「当初はこれほど大きな計画ではなかった。次々と提案されるアイデアを積み重ねていくうちに、盛りだくさんのイベントが出来上がった」と事務局長の伊藤真弓さん。
新型コロナウイルスの感染対策として、来場者にはマスクの着用、会場各地に設置する手指消毒をお願いする。スタッフや出演者は、マスク着用と検温を義務化し、連絡先を明記した名簿を事前提出。食品類は全てテークアウトで販売する。
「思いに賛同してくれた多くの方に感謝している」と伊藤さん。「思い出作りと交流を通じて、地域の子どもたちが、これからの大平台を考えるきっかけになればうれしい」と会長の今井孝さん。「コロナ禍で、大変な思いをしている方や、がんばっている医療従事者の事を忘れずに、ルールを守って良いイベントにしたい」とも。