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浜松の女性アナウンサーが小説刊行 日本料理店を舞台にご当地グルメを描く

初めての小説を出版する、北島直子さん

初めての小説を出版する、北島直子さん

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 浜松の女性フリーアナウンサー北島直子さんが3月5日、ご当地グルメ小説「微笑み酒場 花里」を刊行した。

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 浜松市のラジオ局「FMHaro!」の番組パーソナリティーやイベント司会者として活躍する、女性フリーアナウンサーの北島さん。昨年7月、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、イベント司会の仕事が全て中止。不安定な状況に置かれ、新たな自分を見つけたいと考える中、「幻冬舎ルネッサンス新社」(東京都渋谷区)が主催する短編小説コンテストに出合った。締め切りの2週間前だったが、執筆を決意。自身初となる執筆活動だったが、わずか2日間で書き上げ応募。残念ながらコンテストでの受賞はかなわなかったが、「心温まる描写で読後感が良い」と編集者の目にとまり、発刊が決まった。

 同作品は、浜松市の小さな日本料理店「花里」を舞台に、人間模様を描いた短編小説集。「もちがつお」や「新じゃが・新たま」など、浜松のご当地グルメをタイトルにした1話完結の物語が、6話掲載されている。主人公が味わう絶品料理を、食べたくなるような描写で表現。「アナウンサーも小説も、言葉だけで伝える点は同じ。アナウンサーとして食レポで培った表現力が役立った」と振り返る。「微笑み酒場」の題名のとおり、おいしい食事と酒を通じた出会いを描きながら、必ず笑いで締めくくる。「コロナ禍で下を向きがちな日が続くが、居酒屋でのほほ笑ましい日常を思い出せる作品。落ち着いた頃に、飲食店に足を運んでもらうきっかけになればうれしい」と北島さん。

 作中で使われるご当地ソース「馬居(うまい)ソース」は、実在する市内のソースメーカー「鳥居食品」(中区相生町)のトリイソースがモデル。作中での登場を同社に報告したところ、パッケージを切り替えたコラボレーションが実現。「まさか老舗メーカーに協力してもらえると思っていなかったので、感激した」と北島さん。本とソースのセット商品(1,110円)は、静岡県西部の「谷島屋書店」でのみ、数量限定で販売している。

 紹介したい浜松グルメがまだ多くあるため、機会があれば今後も執筆したいという。「小説を通じて、地元の魅力を再発見してほしい」と北島さん。「短編で量が少なく、文字も大きめに編集しているので、誰にでも読みやすい。気軽に手に取ってくれればうれしい」とも。

 価格は660円。全国の書店やネットショップで販売する。

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