グランドホテル浜松(浜松市中区東伊場、TEL053-452-2112)が3月5日、地元高校生とコラボ開発した生角食パン「かほり」の販売を始めた。
生角食パン「かほり」を作る、ホテル調理部の(左から)吉川勝治さん、小野敏之さん、相沢努さん
老舗料亭「聴涛館(ちょうとうかん)」の歴史を受け継ぎ、浜松を代表する宿泊施設の同ホテル。ホテル内でパンを焼き上げるが、これまで食パンは製造してこなかった。同ホテルベーカリー担当の吉川勝治さんが、オリジナル生角食パンを考案。社内提案したところ、好評で商品化が決定。同じタイミングで、浜松市立高校から、生徒と共同で事業を行う産学連携の依頼があった。商品のネーミングとロゴを生徒に考案してもらうことで、コラボレーションが実現。販売にこぎ着けた。
書道を専攻している同校3年生の生徒9人を対象とし、昨年12月にプレゼンテーションを開催。ホテルスタッフも同席したが、「いずれの提案も力強く、生徒たちの熱意に感銘を受けた」と吉川さんは話す。社内アンケートにより、大手穣さんの「柔らかく包み込む生角食パン かほり」に決定。毛筆の楷書体で高級感を、ひらがなで親しみやすさを演出する。特徴である柔らかさを伝えるために、包み込む安心感を文字に表現したという。
しっとりとした食感と香りを重視し、職人が一つ一つ丁寧に焼き上げる同商品は、四角型に焼き上げる生食パン。添加物不使用のバターや蜂蜜など、上質の材料を使う。そのまま食べても、トーストにも合うため、2度楽しめるという。2斤サイズで、販売価格は1,080円。電話での完全予約制で、金曜と土曜のみ数量限定で販売する。
発売後好評で、既に多くの申し込みを受けているという。「高校生たちの思いが伝わる素晴らしい交流だった。このつながりを大事にして、今後もコラボを実現したい」と同ホテル調理部の相沢努さん。「ベーカリーの専門スタッフが作り上げた自信作なので一度試してほしい」とも。