浜松の菓子店「Kippis by SHUHODO(キッピスバイシュウホウドウ)船越店」(浜松市中区船越町、TEL 053-463-5130)が6月18日、開店1周年を迎えた。
1974(昭和49)年に創業した「秋芳堂」(中区肴町)。創業当時からカステラ生地に白餡(あん)を入れた「カステラまんじゅう」を看板商品として取り扱ってきたが、より若い世代に受け入れられるようにと、和菓子だけでなく洋菓子も扱うコンセプトの新店舗の開業を考案。店名の「キッピス」とはフィンランド語で「乾杯」の意味。「仕事が終わって乾杯する時のように、ゆっくりとした時間の中でお菓子を楽しんでもらいたい」という思いを込め、昨年6月にオープンした。
「お菓子で皆を幸せに」をキャッチフレーズにする同店。世間の流行を意識し、常に新しいものを取り入れるよう心掛けているが、「ただ単に菓子を作れば良いという訳ではない。購入する方の幸せにつながるように、どの商品も納得いくまで試作を繰り返し作り上げてきた」と店主の藤本桂さん。コロナ禍でのオープンだったため不安もあったが、地域の常連客も徐々に増え、無事に1周年を迎えた。
1周年を記念して、「今年の新スイーツ」として注目されている「マリトッツォ」と、生食パンを使う「純生食パンのフルーツサンド」の2つの新商品を発売。イタリアのローマが発祥の「マリトッツォ」は、ふんわりとした食感のブリオッシュ生地にたっぷりとクリームを挟むスイーツ。同店では、表面だけでなく、中までたっぷりとフルーツを入れて仕上げる。オリジナルのブルーベリークリームが入り、素材の香りと甘酸っぱさを楽しめる「ブルーベリー」(490円)は、浜松市都田町の契約農家のブルーベリーを使う。このほか、たっぷりのチョコチップとビスケットのサクサクの食感を楽しめる「チョコチップオレオ」(490円)や、「香りが良く味に深みのある」静岡県産の抹茶を使う「抹茶小豆」(490円)などをそろえる。
「純生食パンのフルーツサンド」は、通常の食パンのような硬さは無く、フワフワでしっとりとした食感が特徴の生食パンを使う。「ミックスフルーツサンド」(680円)は、当日の仕入れにより異なるが、キウイやオレンジ、パイナップルなどのフルーツをたっぷり使い提供。このほか、切ったオレンジの断面を花に見立て、甘さ控えめのマスカルポーネチーズクリームで仕上げる「オレンジのお花サンド」(800円)や、静岡県産クラウンメロンを使う「メロン」(880円)などを用意する。
新型コロナウイルス対策として、入店時に手指のアルコール消毒と検温を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスクの着用、手指消毒を徹底。営業中はドアを開放し換気。テラス席を用意するが、密を避けるため席の間隔を広く取りレイアウトする。
6月24日~29日の期間限定で、1周年記念セールも予定している。旧松菱百貨店内のテナントでもあった同店は、松菱のロゴを焼き印した「カステラまんじゅう」を20年ぶりに復刻し、当時の料金のままで販売する。藤本さんは「来店する方々と触れ合い、コミュニケーションを取れる毎日がとても楽しい。地域の方に支えられて無事に1周年を迎えることができ感謝している」と笑顔で話す。
営業時間は10時30分~18時。水曜・第3日曜定休。