遠州鉄道新浜松駅高架下のレンタルスペース「みんなのポップアップスペースhamamachi+(はままちプラス)」(浜松市中区砂山町)で現在、イベント「綿の産地フェア はままつ染め織りマーケット ポップアップショップ」(TEL 053-457-2319)が開催されている。
遠州地域で作られる染物・織物のPR事業などを行う「遠州産地振興協議会」と「静岡県繊維協会」が共催する同イベント。多くの繊維産業事業者が活躍する浜松で、遠州織物の魅力を広く市民に知ってもらいたいたいと考え、2016(平成28)年に開始した。これまでは、遠州織物に関わる事業者を一堂に集めたイベントとして、10月の週末に2日間にわたり開催し、販売や注染染め体験などのワークショップを行っていた。昨年は新型コロナ禍の影響で中止したため、今年は、感染状況にかかわらず開催できる方法を模索。「開催期間を1カ月に延ばし、参加事業者をグループ分けし順に出店することで、分散して集客できると考えた」と同イベント事務局で浜松市産業振興課の石野佳己さん。初の試みとなるポップアップストア形式での開催にこぎ着けた。
事業者を5つのグループに分け、期間中に5、6店舗ずつ順に出店し、合計26店舗が参加。期間ごとに品ぞろえが異なる。国内外で質が高いと評価を受けるという遠州織物の生地をはじめ、洋服やバッグ、マスクなどの小物を販売する。「出店するほとんどの事業者と作家が常設の店舗を持たないので、ここでしか買えない商品がそろっている」と石野さん。工場で製造する際に出る端切れ生地や、ちょっとした傷があるため通常市場に流通しないような商品も特別価格で提供する。
天然素材のプリントや無地染め加工などを行う染色会社「日本形染」は、布をポスターのように壁に貼り付けて装飾するインテリア雑貨「ファブリックポスター」(1,320円)を出品。ハロウィーンやクリスマスをモチーフにしたデザインをそろえる。洋服やバッグなどを企画・販売する「Teatrino(テアトリーノ)」の「オリジナル帆布トートバッグ」(1万6,500円)は、丈夫な素材だが上品なシルエットが特徴。伝統技法「浜松注染染め」の専門会社「和田染工」の手拭い(1,000円)は、秋らしい紅葉やブドウなどをデザインする。このほか、「ファブリック鈴忠」の「草木染め生地」(2メートル=3,500円~)や、遠州織物の商社「オリショーjr.」の保湿・抗ウイルス・はっ水などの機能を持つ「カット生地」(500円~)などをそろえる。
新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒と検温、マスク着用を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店舗の入り口は常に開けて換気を徹底。来店人数が多い場合は入場制限する。
過去に開催した際のファンが多く訪れ、集客は順調だという。石野さんは「週替わりで店舗が入れ替わるので、何度来ても楽しめる。ここでしか買えない商品も多いので、期待して足を運んでほしい」と話す。
営業時間は13時~18時(土曜・日曜は10時~17時)。火曜・水曜定休。10月31日まで。