全国のクラフトビールを集め販売するイベント「クラフトビールアドベンチャー」(TEL 053-459-4320)が現在、浜松の中心市街地で開催されている。
中心市街地の活性化を目的に活動する「浜松まちなかにぎわい協議会」や飲食店「オクタゴンブリューイング」(中区田町)、酒類を販売する「メルカート間渕」(肴町)などで構成する「浜松クラフトビールフェス実行委員会」が主催する。2018(平成30)年、当時全国で流行しつつあったクラフトビールのイベントを開くことで街なかを盛り上げようと、「浜松クラフトビールフェス」として初開催。浜松市ギャラリーモールソラモを会場に、全国のクラフトビールを一堂に集め、1万6000人の来場者でにぎわった。翌年も好評だったが、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、クラフトビールの販売とビールにまつわる話題のオンライン配信に限定し開催した。
今年は、感染状況が不透明な中で、特定の場所に大勢が集まるのではなく、分散して集客できる方法を模索。店舗とインターネット上での販売と、イベントの趣旨に賛同した街なかの飲食店でクラフトビールを提供するイベントを考案。当初は8月に予定していたが、静岡県のまん延防止等重点措置発令のため延期。緊急事態宣言の解除を受け、10月8日からの開催にこぎ着けた。
全国19カ所のビール醸造所から集めた約60銘柄のクラフトビールを取りそろえる。「メルカート間渕」と公式オンラインショップで購入でき、自宅などで味わうことができる。ベルギーで醸造の修業をした職人が地元特産物を取り入れたビールを醸造する「カケガワビール」(掛川市)の「ほうじ茶エール」(526円)は、ほうじ茶の香ばしい香りの立ち込めるビール。このほか、「伊勢角屋麦酒」(三重県)の酵母とコリアンダーのスパイシーさとユズの皮の爽やかさが特徴の「ヒメホワイト」(462円)や、「箕面(みのお)ビール」(大阪府)の強くローストした麦芽と多くのホップ使う本格的な黒ビール「スタウト」(462円)などをそろえる。
併せて、イベントの参加飲食店でもクラフトビールを提供。ベトナム料理専門店「フォーハノイセカンド浜松板屋町店」やダイニングバー「BASE(ベース)」、フレンチ・ビストロ「プロブル」など、合計18店の飲食店が参加。取り扱うクラフトビールは店によって異なる。
期間中にビールに関わる特別イベントも企画。10月24日の「WEEKEND BBQ(ウイークエンドバーベキュー)」は、肉料理店「THE SMOKE CLUB(ザ スモーククラブ)」(中区)を会場に、BBQ料理とクラフトビールを提供。10月31日の「ビアランハママツ」は、3キロのコースをランニングした後に、参加者にクラフトビールとオリジナルTシャツを提供するイベント。10月24日と11月7日には、ビール職人の解説を聞きながら醸造所を見学する「秘密の醸造所見学ツアー」を開催。いずれのイベントも新型コロナウイルスの感染対策として、事前予約制を取り、参加人数を制限して行う。
浜松まちなかにぎわい協議会の清水英貴さんは「中止にせずイベントとして再開したことで、街なかの活性化につながれば」と期待を寄せる。実行委員の片桐紅美さんは「去年はオンラインのみだったが、一歩前進して、大勢の人を集めることなく安全に楽しめる企画を用意できた。イベントをきっかけに、参加する飲食店・販売店・醸造所を皆さんに知ってもらい、それぞれにビールを楽しんでもらえれば」と話す。
参加費は、WEEKEND BBQ=4,000円(ドリンク代別途)、ビアランハママツ=2,000円(ドリンク・Tシャツなしの場合は無料)、秘密の醸造所見学ツアー=1,500円。11月7日まで。