舘山寺温泉の宿泊者が利用できるデジタル地域通貨「はまなこPay」の運用が1月7日から、期間限定で始まった。
NPO法人「浜名湖観光地域づくり協議会」(西区舘山寺町、TEL 053-487-0152)は、観光庁の「再生・高付加価値化推進事業」の補助金を活用して、誘客拡大の可能性を探るため、デジタル地域通貨の導入を検討。指定旅館の宿泊者を対象に、スマートフォンの専用アプリで決済する「はまなこPay」として実証実験を開始した。併せて、「浜名湖かんざんじ温泉協会」が主催となり、「新春夢めぐりお年玉キャンペーン」を開催。地域内での買い物や観光に利用できるポイントを贈る。プラットホームは、他県での運用実績があり、店舗側の初期投資や高額な手数料がかからないため、フィンテック事業を展開する「フィノバレー」(東京都)が提供するデジタル地域通貨を採用する。
「はまなこPayアプリ」を無料でダウンロードして、アンケートに回答した先着2000人に、1000ポイントを進呈する。抽選で当選した100人には、さらに2000ポイントを進呈する。加えて、1,000円分をチャージすると、先着2000人限定で、2000ポイントを付与。期間中、同協会加盟の土産店や飲食店、観光施設などの対象店舗でポイント(1ポイント=1円)を使うことができる。
今後は、アンケートを元に利便性や費用対効果を検証し、本格事業化を検討する。「新型コロナ禍で影響を受ける旅館や飲食店などの消費喚起につなげたい」と同会顧問の稲葉大輔さん。「デジタル地域通貨は、健康福祉や行政サービスに役立つ仕組みなので、キャンペーンをきっかけに理解が深まれば」と話す。
舘山寺温泉の旅館「山水館欣龍」の新村有司社長は、「舘山寺地域を盛り上げるための良い取り組みだと思う。今後はより使いやすいものに改善しながら継続していければ」と期待を寄せる。
ポイント付与は、期間内でも上限に達し次第終了。対象の旅館と店舗は、浜名湖かんざんじ温泉観光協会の公式ホームページで公開する。2月20日まで。