静岡県のまん延防止等重点措置発令により営業制限を受け、厳しい経営環境におかれる浜松市内の飲食店だが、店舗営業に加え、趣向を凝らしたテークアウトメニューを提供している。
「フォーハノイsecond(セカンド)板屋町店」(中区)は、日本人の口に合うようにアレンジして提供するベトナム料理店専門店。柔らかい蒸し鶏とやさしいスープの「鶏肉のフォー」(864円)は、特殊な容器に入れて用意し、電子レンジで温めるだけで食べることができる。グリーンリーフで巻いて食べる、米粉で作るヘルシーなベトナム風お好み焼き「バインセオ」(1,188円)や、牛肉とエビみその辛口スープに米粉の麺が入る「ブンボーフエ」(950円)などを用意する。店長の朝日竜二さんは「コロナで外出が制限される中なので、テークアウトを使い、自宅で気軽に本格料理を楽しんでほしい」と話す。
ダイニングカフェ「パセレッティ」(中区)は、野菜を使い、彩り豊かなメニューをそろえる。パン専門店「松月堂」(中区)のパンを使う「BLTサンド」や、箸が通るほど柔らかく煮込むという骨付き豚肉の弁当「スペアリブ定食」、モチモチの食感の生地を楽しめる「スモークサーモンとバジルのピッツァ」(各972円)などを用意。いずれもスープがセットになる。
「エルカミーノ」は、中区佐鳴台の「佐鳴台本店」と中心市街地の「田町店」の2店舗を構えるスペイン料理専門店。パエリアは、本格的な雰囲気を楽しんでもらいたいと、鉄鍋に入ったまま届ける。エビやアサリ、ムール貝などが入る「魚介のパエリア」(2人前=2,910円)や、イカ墨で黒く染まる「イカスミのパエリア」(2人前=2,450円)などを用意。鉄鍋は洗わずに後日店に届ければ良く、返却期日は設けない。魚介のうま味を凝縮した「タコと小エビのアヒージョ」(950円)は、冷凍状態で提供。好きな時に解凍して手軽に食べられるため、保存用として購入する人も多いという。店主の中野雄司さんは「テークアウトだが、非日常を感じられる食事を提供していきたい」と話す。
フランス料理店「フレンチ プロプル」(中区)は、化学調味料を使わず、食材の組み合わせを大切にしたコース料理を提供するが、コロナ禍でテークアウトの取り扱いを始めた。「前菜盛り合わせ」(2人前=6,900円)は、ノルウェーサーモンのマリネや国産牛のローストビーフ、春キャベツサラダなどをセットにする。ローストした牛肉の赤みの部位をメインにする「国産牛のお弁当」(2,000円)は、雑穀米とブロッコリーやカリフラワーなどの旬の野菜を入れ、彩り豊かに仕上げる。いずれも日替わりでアレンジして提供する。
浜松市では現在、感染拡大により影響を受けている飲食店を支援するため、フードデリバリープラットホーム「Foodelix(フーデリックス)」の利用者を対象に、2つのキャンペーンを行っている。「配送料無料&テイクアウト割引キャンペーン」は、デリバリーの場合は配送料500円が無料に、テークアウトの場合は商品価格を500円割引する。1回の注文において1万円を上限にキャッシュバックする「キャッシュバックキャンペーン」は、抽選で毎日100人が当選する。いずれも2月28日まで行う。