蜂蜜専門店「HONEY&MEAD YOHOYA(ハーニーアンドミード ヨウホウヤ)」(浜松市天竜区二俣町二俣、TEL 053-401-8255)が3月8日、オープンした。
養蜂家の塩見亮太さんは神奈川県出身で、元々会社員として勤めていたが、自身で酒を造りたいと興味を持ち、蜂蜜で造る酒「ミード」を知った。ミードの原料となる蜂蜜を作りたいと考え、浜松と岐阜の養蜂場で養蜂について学んだ後、2012(平成24)年に自身の作る蜂蜜ブランド「養蜂屋(ようほうや)」を立ち上げた。当初は、委託販売やネットショップを中心に運営していたが、養蜂場に直接訪れて購入する客も多く、直営店のオープンを決めた。
店長は、妻のミサさんが務める同店。店舗面積は約12坪で、テークアウト中心だが、イートインスペースとして7席を用意。店内は全て塩見さん夫妻が自ら改装。白い塗り壁を基調に、モルタルの床や、木材で手作りした棚やカウンターテーブルを使い、シンプルだが温かみのある空間に仕上げた。入店すると、額縁に見立てて壁面に飾る、生きたミツバチが入る巣箱が目を引く。「蜂蜜はミツバチが作るものだということを実感してもらえるように展示した。自然の恵みを感じられる店にしたい」とミサさん。
蜂蜜の量産を優先せず、「ミツバチ第一主義」をコンセプトに掲げる。ミツバチの病気を未然に防ぐために抗生物質を与える養蜂もあるが、生体を尊重して薬は使わない。一般的な養蜂は、白く結晶化するのを防ぐために、加熱した蜂蜜をフィルターに通すというが、蜂蜜本来の風味を残すため、あえて非加熱で瓶詰めする。長期間保存すると花の香りが減ってしまうため、採れて1年以内の蜂蜜のみを販売する。
いくつもの花から集められた蜜で作る「百花蜜」(200グラム=1,300円)は、季節ごとに咲く花が異なるため、四季折々の風味を楽しめる。「量り売り」(1グラム=6円)も行い、ゴミの削減のため、持ち込みの瓶に詰めることもできる。ミカンの花の蜜で作る「ミカン蜜」(130グラム=1,100円)は、爽やかであっさりとした柑橘系の味で、ミカンの花の香りが広がる。クラフトビールの醸造会社「カケガワファームブリューイング」とコラボして販売する「はちみつ酒 クラフトミード403」(1,200円~)は、甘みを抑えたドライテイストに仕上げた。このほか、「はちみつレモネード」「ゆずはちみつ」「ジンジャーハニー」(以上、450円)など、自家採蜜の蜂蜜を使うドリンクメニューもそろえる。
新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒、マスク着用を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は、定期的に出入り口を開け換気を徹底する。
今後は、採蜜のハイシーズンである5月に向けて、徐々に集客につながるように期待する。ミサさんは「無料で試食できるので、まずはいろいろな味を試してほしい。かわいいミツバチを見ることで、自然の恵みや環境について学ぶきっかけになれば」と話す。
営業時間は10時~16時。金曜・土曜のみ営業。