立体駐車場のスロープを駆け上がるランニングイベント「King of City Climb in Hamamatsu（キング オブ シティクライム イン 浜松）」が5月22日、「ビオラ田町」（中区）で開催された。

優勝した高校2年生の田中隆太さん

　不動産会社「丸八不動産」グループで構成する「King of City Climb in Hamamatsu実行委員会」が主催。「King of City Climb」は、街中を舞台にビルや駐車場を競技フィールドにして行う都市型ランニングイベント。街中の活性化につながるイベントを検討した同社。所有する複合商業ビル「ビオラ田町」の立体駐車場のスパイラル状の上り坂を活用した同イベントの開催を決めた。

　プロランナーの神野大地さんを大会ゲストとして迎えた。神野さんは、青山学院大学在学中に陸上競技部に在籍し、箱根駅伝の初制覇及び2連覇に主将として貢献。第 5区上り区間で当時の新記録を樹立し、「三代目山の神」と称される。昨年4月に活動拠点を浜松市に移し、現在はパリ五輪を目指す。

　県内在住者を中心に男女37人が参加。神野さんのアドバイスの元、浜松城公園でウォーミングアップした後に会場に移動。デモンストレーションとして神野さんが試走した後に、個人タイムトライアル方式で順に出走。ビルの立体駐車場の5階まで約180メートルあるスロープを駆け上がった。コースはかなりの勾配で、参加者は苦しい表情を見せながら走ったが、互いに声援を送り合う和やかな雰囲気の中で大会を盛り上げた。優勝者は、22秒のタイムを記録した浜松市の高校2年生の田中隆太さん。表彰式は同社の運営するダイニングバー「オクタゴンブリューイング」で行われた。

　大会を終え、参加した西山和範（西区）さんは「普段坂道のトレーニングをしていないので大変だった。神野さんから直接アドバイスをもらう貴重な経験ができた」と話した。

　社長の平野啓介さんは「街のにぎわいを創出するのが不動産会社の役目のひとつ。今後も継続して楽しんでもらいたい」と話した。

　「みんなの笑顔が見られる良いイベントだった」と神野さん。「浜松に拠点を移してから結果につながってきている。パリ五輪に向けて浜松の人に応援してもらい、それを追い風にして頑張りたい」と笑顔で話した。