総菜店「デリカのキクチ」(浜松市中区元浜町、TEL 053-471-0510)が3月3日、開店5周年を迎えた。
同店は、もともと店主の菊池正子さんの両親が経営していた精肉店に、菊池さんが加わり、家族3人で総菜店として営業してきた。両親が引退する際に一度店を閉めたが、周囲から再開を望む声もあり、2018(平成30)年に復活した。
「もう一つの台所」をコンセプトとして、歩いて手軽におかずを買いに行けるような店にしたいと続けてきた。菊池さんは「開店当初は、1人で店を営業するのが不安だった。失敗しながらも一日一日をなんとかこなし、その積み重ねで5年を迎えた。応援してくれる常連客に感謝したい」と振り返る。
日替わり総菜や揚げ物を、それぞれ常時約5種類用意。オープン時から、食材はできるだけ地元の物を使うように心がけ、手作りする。亡き母の味を再現したという看板商品の「コロッケ」(80円)は、常連客からアドバイスをもらいながら、この5年間にも試行錯誤し、さらに「母の味」に近づけたという。精肉店時代からのメニュー「焼き豚」(100グラム=350円)は、自家製たれと肉のうまみが楽しめるという。薄皮の焼き卵をのせた「オムライス」(500円)は、ケチャップで炒めた昔ながらのシンプルな味に仕上げたとも。このほか、赤いウインナーとチーズの串揚げ「ウインナーチーズフライ」(100円)や砂糖をまぶした「揚げパン」(100円)などもそろえる。
常連客の女性は「下町気質を感じる、ほかの総菜店にはないアットホームな店。ここに来れば、幅広い年代の人とコミュニケーションが取れる」と話す。店内のイートインスペースは満員になることもあり、人々の交流の場としても利用されているという。
菊池さんは「気取らない店なので、一日何回でも来てほしい。全て自分でやるのは大変だが、これからも憩いの場として利用してもらえたら」と話す。
営業時間は11時~19時。日曜・月曜、第1・第3土曜定休。