洋菓子店「パティスリー トーラス」(浜松市西区雄踏町宇布見、TEL 053-569-0323)が9月30日、オープンした。
フレンチシェフの父の下で育った店主の長門徹さんは、幼い頃からその姿に憧れていたという。長門さんの兄もフランスを拠点に活動する料理人で、兄の働くフランスへ訪れた際、本場のケーキ店に魅了されパティシエを目指そうと決めた。帰国後、東京や福岡などの洋菓子店で修業。その後、ワーキングホリデーを利用してフランスでも菓子作りを学ぶ予定だったが、コロナ禍の影響で断念した。元々、生まれ育った街で独立したいと考えていたため、同店のオープンを決めた。妻の鈴菓さんと二人三脚で運営し、地域から愛される居心地の良い洋菓子店を目指す。
店舗面積は約5坪。店内は、白色をベースにイメージカラーのグリーンをアクセントに配色。地元の左官職人が手がけた塗り壁や無垢材の窓枠などを使い、ナチュラルな雰囲気のシンプルモダンのデザインに仕上げた。
学んできたフランス菓子をベースに、できる限り地元の食材を使った洋菓子を提供する。チョコ生地とガナッシュ、チョコ生クリームを層にしたケーキ「ショコラ」(520円)は、仕上げにグラサージュをかけて表面に光沢を出す。バニラビーンズを加えた自家製カスタードクリームを使う「シュークリーム」(350円)は、たっぷりとクリームを入れて提供する。
このほか、クッキー生地に、さっぱりとしたクリームチーズと甘みのある北海道産生クリームを合わせた「レアチーズケーキ」(520円)、年配の人にも食べやすいようシンプルに仕上げたという「ショートケーキ」(450円)などをそろえる。事前予約で、ホールケーキも用意する。「自分のこだわりだけでなく、まずは喜んでもらうことが大事。地元とのつながりを大切にして、子どもからお年寄りに喜ばれる菓子作りをしたい」と長門さん。
オープン後は、売り切れてしまう日も多く順調な滑り出しという。長門さんは「妻と相談しながら納得いく物を提供していきたい。小さな店なので、気を張らずにおやつ感覚で楽しんでもらえたら」と話す。
営業時間は10時~18時(売り切れ次第終了)。水曜・木曜定休。