浜松・松城の浜松市美術館(浜松市中区松城、TEL 053-454-6801)で現在、「ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅」が開かれている。
ポール・デルヴォーはベルギー出身の画家で、油絵や水彩画などさまざまな技法で作品を描いた。現実的ではないものを現実的に描く「シュールレアリスム」の表現方法を好み、独自の夢の世界とノスタルジーな世界観を表現してきた。
同展ではベルギー北西部にあるポール・デルヴォー美術館が所蔵する、集まった女性たちと遠く中央を横切る列車を境に不思議な遠近法が用いられる絵画「夜の使者」や古代ギリシャの女神をモチーフとしたデルヴォー最後の油絵作品「カリュプソー」など約100作品を展示する。半数以上が日本初公開となる。そのほかにアトリエに残された筆やパレット、作中にも登場する列車のモチーフとなったオブジェなども展示する。
期間中は学芸員によるギャラリー・トーク(毎週金曜14時~)や講演会「ポール・デルヴォーの夢の世界を探る」(6月23日14時~)などのイベントも行われる。
学芸員の川西亜紀子さんは「デルヴォーの作品は一見きれいな絵に見えるが、じっくり観察すると古代都市に電車が通っていたり、女性が不自然に目をそらしていたりと違和感を覚えるものが多い。ぜひこの引き込まれる絵を見に来てほしい」と話す。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館。料金は、一般=1,000円、大学・高校生=800円、小中学生=300円。7月1日は浜松市制記念日のため無料開館。イベントは先着順。7月15日まで。