浜松・三ケ日町の和洋菓子店「入河屋」(浜松市北区三ケ日町、TEL 053-525-0902)が11月25日、「浜名湖まるごとみかんロール」を発売した。
同店は1885(明治18)年創業の老舗和洋菓子店。「みかん最中」や「甚作(じんさく)饅頭(まんじゅう)」などを販売し、三ケ日本店にはベーカリーも併設する。
大河ドラマ「おんな城主 直虎」のブームが落ち着きを見せ、来年以降周辺地域の活気がなくなってしまうのではないかと危惧する5代目の松嵜善治郎さん。地域を盛り上げるために何かできないかと思い、シーズンが到来した三ケ日みかんを使い名物になるような商品を作ろうと考えた。今秋にイチジクを丸ごと使ったロールケーキ「まるごといちじくロール」を販売し好評だったことから、「まるごとシリーズ」の新商品として、三ケ日みかんだけでなく地域の良質な素材を使ったロールケーキを開発し、販売にこぎ着けた。
長さ15センチのロールケーキの中にミカンが約4つ分入っている同商品。真ん中をくりぬいたミカンの中にカスタードクリームが入り、その回りをフレッシュクリームとスポンジで包み込む4層のロールケーキ。4つの味がバランスよく重なり、「カスタードクリームの甘さと三ケ日みかんの濃厚なうま味と酸味が味の相乗効果を生んでいる」と松嵜さん。
三ケ日みかんだけでなく、地元の素材を積極的に使うことで地元のPRを図る。浜名湖ファームの抗生物質やワクチンを使わず育てた有精卵の白うずらや、浜名湖の養鶏場の卵、地元の引佐牛乳を使ったスポンジ生地を使用。カスタードクリームには乳脂肪分が豊富で濃厚な引佐牛乳を使い、さらにウナギのコラーゲンパウダーを入れることで、一般的な牛乳ではできない滑らかさを実現できたという。
「インパクトのあるロールケーキの断面に驚く客もいて、美しい見た目も評判。みかん狩りのシーズンでこの地域にくる観光客も多い。生ものなので遠方の方には難しいかもしれないが、少し足を伸ばしてきた人たちには、三ケ日の新しい名物を味わってもらいたい」と松嵜さん。「地域の素材をふんだんに使ったこのような商品を開発することで、これからも地元の農畜産業を応援していきたい」とも。
価格は1,330円。入河屋三ケ日本店で販売する。営業時間は8時~19時。