テークアウト専門カレー店「ammikkal(アンミッカル)(浜松市中区布橋、TEL 070-3891-4370)が浜松・布橋にオープンして1カ月がたった。
2000年にインド旅行へ行った店主の菅沼映里さん。帰国後、知人にインド料理を作ったところ好評だったことをきっかけに、インド料理を学び始めた。その後も6回インドに足を運び、現地で料理を学んだ。2008年からインド料理のケータリングの仕事を始め、2015年からはスパイスカレー講座を月に1~2回開催。昨年、静岡大学のインド人留学生に出会ったことをきっかけに、店を出すことを考え始めた。「学生の中にもインド人は多く、ベジタリアンが多いインド人にとって日本で外食は難しい」と菅沼さん。そのような人たちの力になりたいという気持ちで、大学付近で1カ月間歩いて物件を探し回り、大学生が歩いて来店できる同所でオープンにこぎ着けた。
店舗面積は約2坪。カウンターの対面販売形式で、カウンター越しには瓶に入れたスパイスや豆がずらりと並ぶ。カレー店のイメージの黄色やインドカラーにするのでなく、店内は薄いモスグリーンで「おしゃれな店」を意識したという。店名のアンミッカルはスパイスをすりつぶす家庭で使う石の道具の名称で、大学生や地域の人たちのコミュニティーとして「文化をまぜる」という意味と、手作りのカレー店という意味を込めた。
提供するのは「日替わりスパイスカレー」(680円~)のみ。カレーは約30種類のスパイスの中から毎回自分でスパイスを調合し作る。化学調味料を一切使わず、添加物もできる限り使わないで手作りにこだわる。「ひよこ豆のカレー」や「ココナッツチキンカレー」「レモンとさつまいものチキンカレー」「マトンカレー」など毎日違ったメニューで提供。カレーだけではなく「黒うりのココナッツ炒め」や「さつまいものインド天ぷら」などの副菜も付く。大学生をメインターゲットにしているので、野菜もしっかりと取れるようなメニュー構成を考えているという。
夕方からの営業ではカルダモンやクミン、コリアンダー、シナモンなどのスパイスをグラム売りで販売。5グラムの少量から対応する。インド人はベジタリアンが多いことから、約10種類の豆も販売するほか、イスラム教の人が食べることができインド人から好まれる「ハラルの肉」の販売も行う。
「浜松にはインドから出張で来る人の中には、こちらの食事を摂れないため、レトルトを持参する人もいる。インド人の学生などもハラル肉を求めて10キロ先のスーパーまで買いに行く現状もあり、大変な思いをしている。そういった人たちの力になれたら」と菅沼さん。「地域の客も多く、スパイスに興味を持ってくれる人もいる。行列ができることもあり好評だが、昼の弁当は売り切れてしまうことも多い。12時30分でなくなってしまうこともあるので早めに来ていただけたら」とも。
営業時間は弁当=11時~14時、スパイス・ハラル食材販売=17時~19時。水曜・土曜・日曜・祝日定休。