企画展「どうぶつのウンチ展」が現在、浜松市動物園(浜松市西区舘山寺町、TEL 053-487-1122)で開催されている。
併設する動物愛護教育センターのホールを利用し、昨年から夏休みシーズンに自由研究にも使えるようなテーマで企画展を開催する同園。教育的観点から動物に興味を持ってもらおうと、昨年は「動物の骨」をテーマに展示し、今年は「動物のウンチ」をテーマにした。「汚い」「臭い」というイメージの糞(ふん)が、人間や自然にとっても大切なものであることや、命の大切さを伝える。
ウサギやヒツジ、シマウマ、チンパンーなど15種類の動物の糞を展示。会場に入ってすぐには約800グラムある大きなゾウの糞を展示。実物の糞を樹脂で固めたもので、触ったり持ち上げたりできる。草食動物の例としてキリンの糞を、肉食動物はライオンの糞を展示し、それぞれの糞が出来上がるまでをパネルで解説。食事の特徴や一日の糞の量、形状などを詳しく説明している。
糞はただ展示するだけでなく、どの糞がどの動物のものなのかを当てるクイズ形式にしてあり、子どもが楽しめるように工夫。動物ごとに糞の量や大きさ、臭さだけでなく、転がり具合や部屋の汚し方などの項目も作り、チャート図で表現している。ほかにも、糞の臭いをかぐコーナーや、人間と動物の腸の長さを比較できる装置なども用意。浜名湖に汚水を流さないよう尿をきれいにして獣舎の掃除に利用したり、1日300キログラムも出る同園の動物の糞を堆肥にしたりという同園の活動も紹介する。
同館は入園口からすぐの場所にあるため、来場した多くの家族連れが立ち寄りにぎわう。中でもゾウの糞の展示はインパクトがあり、来場客の目を引いているという。ゾウの糞を持ち上げた浜松市在住で小学2年生の岡部煌明(こうめい)くんは「ゾウのウンチは重かった。草しか食べていないので臭いがしなくてびっくりした」と驚きながら話した。
事業活動グループ主任の堀内卓也さんは「ウンチは汚いイメージだが、大切なものだと分かってもらい、同時に動物を好きになるきっかけにつながればうれしい。自由研究にも使えるようなテーマなので、ぜひ見てもらいたい」と話す。
展示時間は9時~16時。9月16日まで。